腰砕け

腰砕けとは

腰砕け（こしくだけ）とは、相撲の勝負における非技の一つです。具体的には、力士が自らの体勢を崩して倒れてしまう状態を指します。これは、相撲の82手として定められた決まり手とは異なり、相手から技を仕掛けられた結果として生じるものではありません。

2000年12月に、相撲の勝負結果として腰砕けが制定されました。

転じた意味

相撲における腰砕けから転じて、「大事な場面を前にして萎縮してしまう」「前触れもなく物事がうまくいかなくなる」といった状況を表す言葉としても用いられることがあります。期待されていたものが、脆くも崩れ去る様子を表現する際に用いられます。

主な腰砕けの事例

以下に、腰砕けが記録された主な事例を挙げます。

2005年三月場所10日目：北勝力－武雄山
2007年五月場所3日目：琴光喜－安美錦
2007年七月場所11日目：白鵬－安馬
2011年一月場所7日目：佐田の海－芳東
2013年五月場所14日目：琴勇輝－栃乃若、松鳳山－琴欧洲
2016年七月場所13日目：白鵬－豪栄道
2016年十一月場所4日目：日馬富士－碧山
2018年七月場所3日目：服部桜－颯雅
2018年九月場所7日目：白鵬－遠藤
2020年七月場所初日：遠藤－鶴竜
この一番で、遠藤は金星を獲得しました。横綱が腰砕けで敗れるのは史上初の出来事でした。
2020年九月場所7日目：琴奨菊－炎鵬
2023年一月場所5日目：東俊隆－春雷、玉正鳳－紫雷
2024年五月場所7日目：宝富士－水戸龍
この一番では、水戸龍が宝富士を押し切る寸前に左足首を捻挫。大怪我を回避するため、自ら腰砕けを選択したことを取組後に明かしています。
2024年十一月場所14日目：美ノ海－正代

他競技における腰砕けの事例

腰砕けは、相撲以外の競技でも見られることがあります。

1985年の全日本柔道選手権大会決勝戦での山下泰裕と斉藤仁の対戦がその一例です。山下が大外刈のフェイントを仕掛けたのに対し、斉藤が大外返を試みました。それに対し山下が支釣込足に切り替え、斉藤が柔道では技として認められていない浴びせ倒しに移行。山下が背中から倒れました。主審の神永昭夫は、山下がスリップしてバランスを崩し自爆したと判断し、斉藤にポイントを与えませんでした。

脚注

* 腰砕け - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会公式サイト

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