膀爺

膀爺（バンイエ）について

膀爺（バンイエ、拼音: bǎng yé）とは、中国、特に北京市において見られる、夏の暑い時期に上半身が裸の状態で屋外の公共スペースにいる男性のことを意味します。この習慣は「夏の風物詩」とも評されますが、同時に「非文明的な行為」と見なされ、社会的には一部から排除されることもあります。

典型的な姿

膀爺の典型的な姿は、上半身が裸で下は半ズボン、足元にはサンダルや革靴に黒靴下を履いているというスタイルです。彼らは公園などの屋外で、葵扇を使いながら体を扇いだり、靴や靴下を脱いで裸足を乾かすなどの振る舞いが見受けられます。膀爺は大都市だけでなく、農村地域でも見かけることが多く、路上や公園に集まってはシャンチー（中国将棋）や碁を楽しむ姿が印象的です。これらの行為は、特に外で長時間働く男性たちに見られます。

特に、Tシャツの裾をまくり上げて腹を出した姿は、しばしば「北京ビキニ（北京比基尼）」と呼ばれ、北京膀爺という言い方もされます。このような呼称は、中国全土で見られるこのスタイルの普遍性を示す一方、外国人や外部メディアの目が日本国の首都である北京市に集中したために定着したとされています。

規制

膀爺の姿は2000年代後半に一時姿を消しましたが、これは2008年の北京オリンピックを契機に展開されたマナー向上運動によるものです。しかし、その後再び街中で膀爺たちを見かけるようになりました。特に2019年の夏に入ると、天津市や瀋陽市、済南市、邯鄲市などでは、公共の場でシャツを脱ぐ行為が「非文明的」として規制対象となり、違反者には50元から200元の罰金が課せられるという発表がありました。

また、裸足にサンダルの組み合わせも処罰の対象になる可能性があるとされており、インターネット上では「北京ビキニ」への嫌悪感が見られました。しかし、罰金制度には一部の人々から批判的な意見もあり、新浪微博でのネット投票では「規制賛成」の22万3000人に対し、「暑い時には上半身裸も許可」3万7000人、「指導止まりで可、罰金不要」4万2000人、「何とも言えない」7万5000人という結果が出ています。

このように、膀爺の文化は中国の都市における夏の風景として根付いており、その存在は賛否が分かれるものの、一種の社会的現象とも言えます。彼らが公共の場で過ごすスタイルは、暑さをしのぐための生活の知恵とも考えられており、未来においてもその姿は続く可能性が高いでしょう。

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