膣内射精潜時

膣内射精潜時（IELT）とは

膣内射精潜時（Intravaginal Ejaculation Latency Time: IELT）とは、膣性交において、男性が女性の膣に陰茎を挿入してから射精に至るまでの時間を指します。この時間は個人差が大きく、年齢と共に短くなる傾向があることが知られています。

IELTの重要性

IELTは、早漏などの診断や治療の指標として用いられることがあります。ただし、性的パフォーマンスや満足度はIELTだけでなく、他の多くの要因によって左右されるため、総合的な判断が必要です。

IELTに関する研究

IELTについては、様々な研究が行われており、研究者によって異なる見解も存在します。

多国籍研究

オランダ、スペイン、トルコ、イギリス、アメリカの男性491人を対象とした研究では、以下の点が明らかになりました。

IELTの中央値はコンドームの使用とは無関係。
IELTの中央値は年齢と共に減少（18-30歳：6.5分、31-50歳：5.4分、51歳以上：4.3分）。
全参加者のIELTの中央値は5.4分。
IELTには個人差が大きく、3分20秒未満の男性が14%、10分以上の男性が26%。

ただし、この研究にはサンプル数の少なさや、ストップウォッチ使用による心理的影響などの課題も指摘されています。

キンゼイ研究所の見解

キンゼイ研究所は、1991年に「挿入から射精までの時間は、男性によって異なるだけでなく、同じ男性でもその時々によって異なる」と述べています。また、性交の適切な長さは、パートナー双方が満足するのにかかる時間であるとしています。

マスターズとジョンソンの知見

マスターズとジョンソンは、著書『Human Sexual Response』の中で、性的満足は性交の持続時間とは無関係であると述べています。また、男性の反応時間は女性の月経周期によって変化し、排卵日に近いほどIELTは短くなるとしています。

セックスセラピストの意見

2008年にカナダとアメリカのセックスセラピストを対象に行われた調査では、異性間性交の平均時間は7分であり、1-2分では短すぎ、3-7分がほど良く、7-13分が望ましく、13-30分では長すぎるとされています。

薬物の影響

IELTは、様々な化学物質の影響を受けます。

アルコールやオピオイド：中枢神経系を抑制し、IELTを延長させる。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)：射精反射への移行を阻害し、射精を遅らせる。早漏の治療に用いられることがある。

まとめ

IELTは、性交における射精までの時間を測る指標であり、個人差や年齢、精神的な状態、薬物の影響など、様々な要因によって変動します。早漏の診断や治療に用いられることがありますが、性的満足度はIELTだけでなく、他の多くの要素によって左右されることを理解しておくことが重要です。

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