臧愛親

臧愛親（ぞう あいしん）

臧愛親（361年 - 408年）は、南朝宋の初代皇帝である劉裕の正妻であり、武敬皇后として追尊された女性です。彼女は激動の時代を生き、夫の劉裕を支えましたが、その生涯は決して平坦ではありませんでした。

生い立ちと結婚

臧愛親は、東晋時代の升平5年（361年）に、東莞郡莒県で郡功曹を務めた臧俊と、叔孫氏（遷陵永平郷君）の娘として生まれました。臧燾、臧熹という兄弟がいます。彼女は劉裕に嫁ぎ、二人の間には娘である会稽宣長公主劉興弟が誕生しました。彼女の生活は質素で、贅沢を好まず、また、親族を特別に推挙することもありませんでした。

豫章公夫人から皇后へ

義熙4年正月甲午（408年3月12日）、臧愛親は東城で48歳で亡くなりました。彼女の死後、豫章公夫人の称号が追贈され、丹徒に葬られました。劉裕が宋を建国し皇帝となると、永初元年（420年）8月には敬皇后と追諡され、その功績が讃えられました。さらに、永初3年（422年）には、劉裕の遺詔により初寧陵に陪葬されることとなり、夫婦として永遠の眠りにつきました。

臧愛親の人物像

臧愛親は、質素でつつましい生活を送り、親族を特別扱いすることを避けたと伝えられています。彼女のこのような態度は、夫である劉裕の政治姿勢にも影響を与えた可能性があります。皇后としての華やかなイメージとは異なり、彼女は家庭を守り、夫を支えることに尽力した賢妻として、歴史に名を残しています。

史料における記述

臧愛親に関する記述は、『宋書』巻41 列伝第1や『南史』巻11 列伝第1などの史書に見られます。これらの史料を通して、彼女の生涯や人物像を知ることができます。

まとめ

臧愛親は、南朝宋の武帝劉裕の妻として、また武敬皇后として、歴史に名を刻んだ女性です。彼女の質素で控えめな生き方は、激動の時代を生き抜く人々の模範となり、後世に語り継がれています。

もう一度検索