臨時便

臨時便とは

臨時便とは、鉄道、バス、航空機、船舶などの公共交通機関において、旅客や貨物の需要が通常よりも大きくなる繁忙期に、通常の運行スケジュールとは別に、特に運行される便のことを指します。

各交通機関における臨時便

鉄道

鉄道における臨時便は、主に年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの繁忙期に、帰省や旅行などの利用客増加に対応するために運行されます。これらの臨時便は、通常の定期列車では輸送しきれない乗客を運ぶ重要な役割を果たします。

バス

バスにおける臨時便は、鉄道と同様に繁忙期に運行されるほか、イベントや観光地へのアクセスを目的として運行されることもあります。また、定期便のすぐ後に運行される臨時便は「続行便」と呼ばれることがあります。これは、乗客数が多く、1台のバスでは対応しきれない場合に、複数のバスで連続して運行される形式です。

航空

航空における臨時便は、夏休みや大型連休、年末年始などの繁忙期に、定期便の需要増加に対応するために増便される形で設定されることが多いです。これらの臨時便は、定期便と同じ時間帯に運行されることもありますが、異なる機材やサービスが提供されることがあります。また、便名も定期便とは異なる番号が使用されることが一般的です。

例えば、日本航空（JAL）では、関西～ホノルル路線のような国際線において、定期便が「JL792」のような便名で運行されるのに対し、臨時便は「JL8792」のように8000番台の便名が付与されることがあります。これは、臨時便と定期便を区別するための措置です。

また、国際線や南西諸島の離島のような地域では、台風などの悪天候により、定期便だけでなく、代替の交通手段も運休することがあります。このような状況下では、復路便を利用する予定だった乗客が長期間にわたり足止めされ、孤立状態に陥ることがあります。このような状況を緩和するために、航空会社によっては「補航便」と呼ばれる特別な臨時便を運行することがあります。

補航便とは

補航便とは、欠航となった便の乗客を救済する目的で、航空会社が善意で設定する臨時便です。原則として、欠航となった復路便の乗客が優先的に利用することになり、補航便のみの利用はできません。これは、欠航によって発生した混乱を最小限に抑え、乗客を安全に目的地まで輸送することを目的としています。

航路

航路における臨時便は、観光シーズンや特定のイベント時に、需要増加に対応するために設定されます。フェリーや旅客船など、様々な種類の船舶が臨時便として運行されます。

その他の関連用語

不定期便: 運行スケジュールが固定されていない便のこと。需要に応じて運行されます。
チャーター便: 特定の団体や個人が貸し切って利用する便のこと。旅行会社が企画するツアーなどで利用されることが多いです。

まとめ

臨時便は、繁忙期や特別な状況下において、公共交通機関の輸送能力を補完し、乗客の移動を円滑にするための重要な役割を果たしています。各交通機関で異なる運用形態がありますが、いずれも利用者のニーズに対応するために運行されている点は共通しています。

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