臨時北部南西諸島政庁

臨時北部南西諸島政庁について

臨時北部南西諸島政庁（Provisional Government of Northern Ryukyu Islands）は、第二次世界大戦後のアメリカ軍占領下において、奄美群島およびトカラ列島を管轄するために1946年10月3日に設置された行政機構です。

名称の意味

アメリカ軍は当初、奄美群島を「Northern Ryukyu（北部琉球）」と呼称していました。しかし、早期の日本復帰を望んでいた奄美側の人々は、この名称が沖縄県と一体化されることで復帰が遅れることを懸念しました。そのため、日本語名称から「琉球」の文字を排除し、奄美群島単独での復帰を目指す意向を示しました。この背景には、アメリカが琉球を日本から分離独立させる計画を持っていたことも影響しています。

臨時北部南西諸島政庁は、その後の奄美群島政府と合わせて、奄美群島を統一する唯一の政府として歴史的に重要な存在です。

政庁発足前の「大島支庁」

終戦から半年後の1946年2月2日、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）から奄美群島の行政分離が発表されました。同年3月30日には、それまで鹿児島県の一部であった「鹿児島県大島支庁」が上級庁を持たない「大島支庁」として独立しました。その後、米軍政府の命令により、本土出身の公職者は追放され、空席となった役職には地元出身者が任命されました。

行政機構

大島支庁の行政機構

支庁長
官房
内務部
財務部
経済部
食糧部
教育部

臨時北部南西諸島政庁の行政機構

知事 - 副知事
内務部
財務部
教育部
経済部
食糧部
警察部

歴代知事

初代知事には、大島支庁長の豊島至が任命されました。

法制改定委員会

臨時北部南西諸島政庁の諮問機関として、26人の委員で構成された法制改定委員会が設置されました。この委員会は、日本の旧法の中で人民を圧迫する法律の撤廃や、必要とされる法律の復置に関する提言を行うことを任務としていました。他の地域のように「議会」と称する組織は置かれず、1950年に奄美民政議会へと改組されました。

関連事項

アメリカ合衆国
琉球
アメリカ合衆国による沖縄統治
琉球列島米国軍政府
地方庁 (琉球政府)
大島支庁 (鹿児島県)
* 五人委員会

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