臨済寺 (河北省)

臨済寺の歴史

臨済寺は、中国河北省石家荘市正定県に位置する臨済宗の寺院です。その起源は、南北朝時代の東魏、孝静帝の興和2年（540年）に遡ります。この地は臨済宗の開祖、臨済義玄が宗派を開いた場所であり、禅宗において非常に重要な意味を持ちます。寺の旧跡には「臨済院旧址紀念碑」が建てられています。

唐代

唐の時代、宣宗皇帝の大中8年（854年）に臨済義玄がこの寺に入り、禅宗の一派である臨済宗を開きました。その後、懿宗皇帝の咸通8年（867年）に臨済義玄は入寂し、懿宗から慧照大師の諡号が贈られました。また、彼の遺徳を偲び、高さ30.47メートルの美しい瑠璃瓦で飾られた九重の塔「澄霊塔」が建立されました。

金代

金代に入ると、大定23年（1183年）に世宗によって「澄霊塔」と臨済寺の伽藍の修復が命じられました。現存する「澄霊塔」には、この時代の遼金様式の典型が見られます。

元代

元代には、住持の海雲が寺の重修を主導しました。『河朔訪古記』によると、当時の臨済寺は真定府城内にあり、定遠門街と飛雲楼の東に位置していたと記されています。また、寺内には唐の呉道子が描いた布袋和尚像や、揺鈴の普化真賛、東坡墨竹、緑筠軒詩などの石刻があったと伝えられています。元の至大2年（1309年）には、趙孟頫が勅命によって「臨済正宗碑」を撰し、寺内に建立されました。

明代

明の正徳16年（1521年）には、再び伽藍の重修が行われました。この時、山門、大雄宝殿、澄霊塔、祖堂、僧房などの主要な建築物が整備されました。同時に、王餅が碑文を撰し、郭希愈が文字を書した石碑も建立されました。

清代

清の雍正帝は、義玄に「真常恵幽禅師」の号を贈り、寺を重修しました。道光10年（1830年）には、総兵の舒通阿が出資して再度重修が行われ、祖師殿が大雄宝殿の両側に移築されました。

民国時代

民国時代には、日中戦争の影響で、澄霊塔を除く祖堂と東配殿が破壊されました。1947年には、これらの建物が完全に破壊され、澄霊塔のみが残りました。

1949年以後

1983年に臨済寺は漢族地区仏教全国重点寺院に指定され、1984年には仏教界の管理下に置かれました。これにより、仏教の布教伝道と修道活動が再開されました。日中両国の臨済宗と黄檗宗は、臨済寺を祖庭とみなし、1979年には日本の臨済・黄檗二宗が連合して日中友好臨黄協会を設立しました。1980年以降、毎年代表団が訪中し、臨済禅師塔を参拝し、寺の修復に貢献しています。1985年には、日本の僧侶と地元政府の協力により、澄霊塔が修復されました。その後も、大雄宝殿、祖堂、寺舎などが順次修復されています。1986年には、祖塔修復落成儀式が執り行われ、日中友好臨黄協会の訪問団と地元の仏教信徒が共に参加しました。1988年には、河北省仏教協会が寺内に設立され、浄慧法師が会長に任命されました。

臨済寺の建造物

臨済寺には、以下の主要な建造物があります。

大雄宝殿
澄霊塔
山門殿
法乳堂
禅堂
蔵経楼
方丈室

関連事項

滹沱河: 臨済寺の名の由来となった河。寺が河の渡し場（済）に臨む臨済村に建てられたことがその名の由来です。
臨済義玄: 臨済寺の住持であり、その法脈が臨済宗として知られています。

外部リンク

中国正定臨済

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