自由の人民 (イタリア)

自由の人民（Popolo della Libertà）

自由の人民（じゆうのじんみん）、原語ではPopolo della Libertà（PdL）、はイタリアにおける中道右派の政党であり、特にシルヴィオ・ベルルスコーニの影響を強く受けた政党です。日本のメディアでは「自由国民」とも表記され、外務省の資料においては「自由国民党」と称されています。

党の結成と初期の歴史

この政党は、2007年11月に結成されました。誕生の背景には、当時の政党連合「自由の家」に参加していたフォルツァ・イタリア及び国民同盟などの中道右派政党の統合がありました。彼らは共通の目標を掲げ、政治的な結束を図った結果、自由の人民という新たな組織が形成されたのです。

2008年4月には、イタリアでの総選挙が行われ、自由の人民とその連携政党は、上院および下院において圧倒的な勝利を収めました。この結果として、ベルルスコーニは第二次政権を発足させ、政権与党となりました。翌2009年3月には、政党連合から単独政党へと移行し、自由の人民は公式に政党としての活動を開始しました。初代の党首には、シルヴィオ・ベルルスコーニが就任しました。

内部対立と分派の進展

しかし、2010年になると、ベルルスコーニに対する汚職の噂やそれに関連する司法問題が次々と明るみに出ました。これにより、党内では対立が生じ、党の求心力が低下していくことになります。特に、旧国民同盟からの離党者達が新たに「イタリアのための未来と自由」（LFI）や「イタリアの同胞・国民右翼」（FdI–CN）、「新中道右派」（NCD）を造ることで、党の一体感は少しずつ弱まっていきました。

このような状況において、2013年11月16日には、党の解散が決定され、ベルルスコーニ自身が旧フォルツァ・イタリアを再び結党すると宣言しました。この決定により、党の形態が変わり、かつての結束が崩れていくことになったのです。

歴史的な出来事を振り返る

自由の人民の歴史を簡潔に整理すると、以下のような主要な出来事が挙げられます。

• - 2007年11月18日: フォルツァ・イタリアと国民同盟を中心に政党連合として自由の人民結成。
• - 2008年4月13日・14日: 総選挙で上院・下院の両方で過半数を獲得し、ベルルスコーニの第二次政権成立。
• - 2009年3月27日: 政党連合から単独政党としての体制を確立。
• - 2010年7月30日: ジャンフランコ・フィーニをはじめとする旧国民同盟出身の議員が離党し、LFIを結成。
• - 2012年12月17日: イグナジオ・ラ・ルッサ国防大臣らが離党、「イタリアの同胞・国民右翼」を結成。
• - 2013年11月15日: アンジェリーノ・アルファノ副首相らが離党し、「新中道右派」を結成。
• - 2013年11月16日: 調整が進む中で党の解散が決定され、ベルルスコーニ派がフォルツァ・イタリアを創設。

これらの歴史的な出来事は、自由の人民の形成から解散までの変遷を象徴するものであり、イタリアの政治における中道右派の影響力を物語っています。今後もこの政党は様々な変化を遂げながら、イタリア政治の舞台で躍進していくことでしょう。

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