アンジェリーノ・アルファノ

アンジェリーノ・アルファノは、1970年10月31日生まれのイタリアの政治家です。彼は、その政治キャリアの中で、様々な党派や連立政権を経験してきました。自由の人民（PdL）幹事長、新中道右派（NCD）党首、人民の選択肢（AP）代表などの要職を歴任しています。

生い立ちと初期のキャリア

シチリア州アグリジェント出身のアルファノは、サクロ・クオーレ・カトリック大学とパレルモ大学で学びました。政治的には、穏健な中道右派の支持者としてキリスト教民主主義（DC）に入党しました。

1994年、タンジェントポリ事件を機にDCを離党し、シルヴィオ・ベルルスコーニ率いるフォルツァ・イタリア（FI）に入党。シチリア州議会選挙でFI公認候補として当選し、政界入りを果たしました。

2001年には、総選挙でFIから立候補し、代議院議員に当選して国政に進出しました。

ベルルスコーニ政権での活躍

2008年、FIがイタリア国民同盟（AN）と選挙連合を組み、自由の人民（PdL）を結成して政権を奪回すると、アルファノは第三次ベルルスコーニ政権の法務大臣に抜擢されました。これは、イタリア史上最年少の法相就任であり、AN党首のジャンフランコ・フィーニ下院議長と並んで、ベルルスコーニの後継者と目されるほどでした。

2009年、PdLが政党化されると、アルファノも同党の議員となりました。

連立政権の狭間で

2010年、ジャンフランコ・フィーニ下院議長がベルルスコーニ首相の汚職問題を糾弾し、イタリアのための未来と自由（FLI）を結党してPdLを離党。党内は分裂の様相を呈しました。

2011年、アルファノはPdLの党幹事長に選出され、党の結束維持に尽力しましたが、翌年にはAN出身の議員らがイタリアの同胞（Fdl）を結党し、離党ドミノが続く事態となりました。

2013年、総選挙で五つ星運動（M5S）が躍進したことで、PdLはイタリア民主党（PD）と左派・右派の大連立政権を樹立。アルファノ自身もエンリコ・レッタ政権の副首相兼内相に就任しました。

ベルルスコーニとの決別

大連立政権内では、ベルルスコーニの汚職容疑を巡り、PdLとPDの意見が対立。2013年9月、ベルルスコーニの決定によりPdL所属の全閣僚が辞任を命じられましたが、アルファノは内相に留まり、ベルルスコーニへの不満を表明しました。

その後、ベルルスコーニが議員資格停止を求める採決に対抗してレッタ内閣の倒閣を狙い始めると、アルファノは遂にPdL指導部と敵対。不信任案に反対する姿勢を示し、ベルルスコーニの倒閣運動を失敗に終わらせました。

この一連の行動により、アルファノはPD側の信頼を得ましたが、政治上の師であるベルルスコーニやPdL指導部との関係は悪化していきました。

2013年11月15日、ベルルスコーニがPdLを解散してFIを再結党し、大連立からの離脱を決めたことにも強く反対。新中道右派（NCD）を結党して離党し、自派議員と共に大連立政権に残留、内務大臣を継続しました。

中道へのシフト

2014年、マッテオ・レンツィが首相に就任すると、アルファノはレンツィ政権でも引き続き内務大臣を務めました。

2016年、憲法改正に失敗したレンツィ政権が総辞職し、パオロ・ジェンティローニが首相になると、外務大臣に就任しました。

2017年、NCDを新党・人民の選択肢（AP）に再編し、より中道寄りの政策を標榜しました。

政界からの失脚

2018年、総選挙において中道主義政党の連合体として一般市民のリスト（CP）を結成し、中道左派連合に参加して選挙に臨みましたが、選挙で中道左派連合は大敗を喫し、アルファノ自身も落選しました。

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