與止日女神社

與止日女神社の紹介

與止日女神社（よどひめじんじゃ）は、佐賀県佐賀市にある歴史的な神社です。この神社は、肥前国一宮としての重要な位置づけを持つ式内社であり、旧社格は県社です。また「淀姫神社」としても知られており、地域の人々に愛される「淀姫さん」と呼ばれています。

歴史的背景

この神社の創建は、古代の『肥前国風土記』に記されており、欽明天皇25年（564年？）の11月1日に與止姫の神がこの地に鎮座したとされています。周辺には、川上で鮎や謂魚が逆流するという伝説があり、そのことから水神信仰が根付いたと考えられています。

延長5年（927年）の『延喜式』神名帳においても「與止日女神社」と名が記され、式内社として正式に認められました。中世以降は、国衙に近い立地から、肥前国一宮として崇敬を集めるようになりました。特に弘長元年（1260年）には正一位の神階を賜りました。

弘安の役（1281年）においては、與止日女大神の加護によって敵の船が破壊されたという伝説も残っています。江戸時代になっても、その重要性は変わらず、文化10年（1813年）には本殿などが焼失、その後再建されました。明治4年（1871年）には近代社格制度により県社に列しましたが、国幣社への昇格は実現しませんでした。

祭神

祭神として祀られているのは與止日女命（よどひめのみこと）であり、神功皇后の妹とも言われています。また、この神は地域の別称として豊玉姫とも関連付けられています。北九州地方には與止日女神（淀姫神）を祀る神社が多く存在し、当社を含む6つの神社が嘉瀬川流域に点在しています。

境内の見どころ

神社の中には一ノ鳥居、二ノ鳥居、三ノ鳥居、西門などがあります。特に三ノ鳥居は市指定の重要文化財とされている肥前鳥居で、佐賀県特有の特徴を持った形状をしています。また、天井には絵馬や三十六歌仙の絵札額があり、これらの絵は平安時代の文化を反映しています。

祭事と文化財

當社では春祭（4月18日）、秋祭（10月10日）、新嘗祭（12月18日）といった祭事が盛大に行われています。また、河上神社文書や関連する文化財も多数、国や県の重要文化財として指定されています。

特に、河上神社文書は平安時代から安土桃山時代にかけての文書が含まれており、地域の歴史研究に重要な資料とされています。

伝説と現在のオリジナル

この地域ではなまずが淀姫さんのお使いとされ、食べることが迷信とされています。また、白玉饅頭といった地域に根付くお菓子も、神社の伝説に由来しています。

アクセス

與止日女神社は佐賀県佐賀市大和町大字川上にあり、交通アクセスも便利です。周辺には肥前国庁跡や船塚古墳といった歴史的な遺跡もあります。訪れるには、JR長崎本線の佐賀駅からバスで「川上橋」バス停に下車後、徒歩で数分の距離です。車を利用する場合も約20分で到着します。

この神社は地域の歴史や文化と深く結びついており、訪れる人々にとって特別な存在です。

もう一度検索