興福寺 (登米市)

興福寺（こうふくじ）

宮城県登米市南方町に位置する興福寺は、天台宗の寺院であり、大嶽山（おおたけさん）という山号を持ちます。本尊として十一面観世音菩薩を祀っており、奥州三十三観音霊場の第10番札所としても知られています。この寺院は、その歴史的背景と文化財の価値から、多くの人々に敬愛されています。

概要

興福寺は、静かで自然豊かな場所に佇み、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。その中心となる本尊の十一面観世音菩薩は、多くの信仰を集めており、観音信仰の重要な拠点の一つとなっています。また、書院と庫裏は登録有形文化財として、その歴史的価値が認められています。

歴史

興福寺の創建は正確には不明ですが、寺伝によれば大同2年（807年）に坂上田村麻呂によって開かれ、京都清水寺の延鎮が開基したと伝えられています。かつては奥州七観音の一つにも数えられていましたが、戦国時代の兵火によって焼失し、一時的にその歴史が途絶えました。しかし、元和12年（1626年）に永盈によって中興され、箟峯寺（こまみねでら）の末寺となりました。江戸時代には、仙台藩主伊達綱宗の病気平癒の祈祷所として重要な役割を果たしました。

観音堂は宝永5年（1708年）に焼失し、その後も何度か大きな被害を受けましたが、明治時代に入り、明治15年（1882年）から再建計画が始まり、明治21年（1888年）に現在の姿で再建されました。この再建された観音堂は、持仏堂として現在に至っています。

文化財

興福寺には、歴史的、文化的に価値のある建造物がいくつか存在します。

書院及び庫裏

書院は西側、庫裏は東側に位置し、書院には唐破風屋根が特徴的です。書院はシンプルな造りですが、北西の座敷には色ガラスが使用されており、当時の先進的な建築技術を見ることができます。これらの建物は、令和2年（2020年）に登録有形文化財として登録されました。

六角堂

六角堂は、観音堂の再建に先駆けて明治17年に建てられました。二階建てで、独特の形状が特徴的です。この建物は、昭和40年（1965年）に東北大学の助教授によって洋風建築の影響が指摘され、建築学会で注目を集めました。昭和51年（1976年）には、当時の南方町によって文化財に指定され、登米市に移行後もその指定は継続されています。

観音堂

現在の観音堂は、明治21年（1888年）に再建されたもので、昭和41年（1966年）には屋根の葺き替えが行われました。観音堂の外壁には、中国の孝行物語「二十四孝」の彫刻が施され、欄[[間]]には十二支の彫刻が飾られています。これらの彫刻は、訪れる人々に深い感動を与えます。観音堂は、平成2年（1990年）に南方町（当時）の文化財に指定され、登米市に移行後もその指定は継続されています。

関連項目

興福寺 (曖昧さ回避)
六角堂

脚注

外部リンク

大嶽山興福寺 - 公式サイト
登米市：興福寺 – みや旅ネット

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