航空交通管理センター

航空交通管理センター（ATMC）

航空交通管理センター（ATMC）は、福岡県福岡市東区奈多に所在する国土交通省福岡[[航空交通管制部]]内に設置された管制区管制所です。日本の空の安全を支える重要な役割を担っており、航空交通管理（ATM）の中核組織として、2005年に設立されました。略称はATMセンター、ATMCです。

施設概要

ATMCは、国際民間[[航空機関]]（ICAO）の新CNS/ATM構想に基づき、日本におけるATMを推進するために設立されました。主な目的は、空域の有効利用、交通量の調整による円滑な航空交通の形成、新技術を活用した管制業務の総合的な連携です。これにより、航空交通の安全確保、交通流制御、航空交通容量の拡大を目指しています。

ATMCには、防衛省（航空自衛隊）や気象庁からのリエゾンも派遣されており、訓練空域の運用調整など、関係機関との連携も密に行っています。

業務概要

飛行情報区（FIR）

飛行情報区とは、ICAOによって設定された、航空機の航行に必要な情報提供や捜索救難活動が行われる空域です。2006年、東京[[航空交通管制部]]と那覇航空交通管制部が担当していたFIRが統合され、福岡FIRとしてATMCが担当することになりました。ICAO空港コードは、福岡[[航空交通管制部]]（RJDG）とは独立して「RJJJ」（ATMC/Fukuoka FIR）が設定されています。

また、交通流制御や無人航空機、航空障害灯などに関する情報提供のために、疑似地点略号として、RJJW, RJJX, RJJY, RJJZ, RJDR, ROBL, RJTDなどが使用されています。特に、RJTDは火山噴火情報として気象庁も利用しています。

航空交通流管理（ATFM）

ATFMは、航空交通の流れを効率的に管理するための業務です。具体的には、以下の業務を行います。

飛行計画経路の管理: 混雑や悪天候を避けるための経路変更などを調整します。
管制承認の発出: 管制区管制所の空域や空港管制能力を監視し、IFR飛行の管制承認を管制機関経由で発出します。
交通流制御の実施: 交通量が管制処理能力を超える場合、出発時刻の調整や飛行間隔の指定などを行います。これにより、航空交通の安全と効率的な流れを維持します。
国内交通流と国際交通流の調和: 国内線と国際線の交通流を調整し、全体の交通の流れを円滑に保ちます。

空域管理（ASM）

ASMは、空域を有効に活用するための業務です。主な業務内容は以下の通りです。

訓練空域等の有効利用調整: 訓練空域の運用を調整し、民間機との調整を行います。
自衛隊・米軍との調整: 訓練空域の使用計画調整や使用状況管理を行います。
訓練空域未使用時の有効利用: 訓練空域が使用されていない場合に、民間機が利用できるように調整します。
民間訓練試験空域の一元管理: 民間の訓練や試験で利用する空域を管理します。

洋上管理（Oceanic ATM）

ATMCは、MTSATなどの衛星通信・監視技術を活用して洋上管制を実施しています。北太平洋ルートでは、高層風（ジェット気流）の変化に応じて経済的な飛行経路を提供したり、運航者が作成する経路（UPR）や、飛行中の経路変更（DARP）を導入しています。

2024年6月13日、ATMCが担当していた太平洋上空の洋上管制業務は福岡ACCに移管されました。

歴史

2006年2月16日: 東京管制部と那覇管制部の洋上管制業務が統合され、ATMCが福岡ACCに設置されました。
2024年6月13日: 管制空域の再編により、ATMCが行っていた洋上管理業務が福岡ACCに移管されました。

担当エリア

2024年6月12日まで、太平洋上空の5つのセクターをATMCが担当していましたが、翌日からはセクター名が廃止され、福岡ACCに移管されました。

関連情報

関連項目:
飛行情報区
福岡[[航空交通管制部]]
海上自衛隊航空管制隊（自衛隊機の洋上管制）
航空保安管制群（航空自衛隊リエゾンの派遣元）
外部リンク:
Japan Aeronautical Information Service Center（航空情報管理センター）（関係者専用）
航空管制官公式サイト 航空交通管理センター
* 航空交通管理センター - 国土交通省航空局

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