航空保安管制群

航空保安管制群について

航空保安管制群は、航空自衛隊の航空交通管制を専門とする部隊であり、航空支援集団の隷下に属しています。その中核となるのは、東京都府中市にある府中基地に所在する本部です。司令官は1等空佐が務め、部隊全体を統括しています。

部隊の構成

航空保安管制群は、司令部機能に加え、以下の部隊で構成されています。

移動管制隊：必要に応じて移動展開し、臨時の管制業務を担います。
各管制隊：全国の主要な航空自衛隊基地に設置され、飛行場管制、進入管制、ターミナルレーダー管制、着陸誘導管制などの航空交通管制業務を行います。各基地の状況に応じた専門的な管制を提供します。
飛行管理隊：運航情報や航空機移動情報といった、航空機の安全運航に不可欠な情報を管理・処理します。この部隊は、航空交通管制の中核を担う管制官をサポートしています。
飛行情報隊：ノータム（NOTAM）や航空路誌など、航空機の運航に必要な情報を作成・編集します。

これらの部隊が連携することで、航空自衛隊の円滑な作戦遂行を支えています。

航空交通管制業務

航空保安管制群の主な任務は、航空自衛隊が所管するレーダーサイトや管制空域における航空交通管制です。具体的には、航空機の離着陸、空域内の移動を安全かつ効率的に管理します。また、新千歳空港、三沢空港、茨城空港、小松空港、県営名古屋空港、米子鬼太郎空港など、一部の民間空港では、航空自衛官が民間航空機の管制業務も行っています。

民間航空との連携

航空保安管制群は、民間航空との連携も重視しています。国土交通省航空局の航空交通管理センターに連絡官を派遣し、防衛省を代表して、官（防衛省）、軍（米軍）、民（民間）それぞれの空域の調整を行っています。これにより、空域を共有する航空機の安全を確保しています。

歴史

航空保安管制群の前身は、1957年に設立された航空保安管制気象群です。1989年に航空支援集団が設置された際、現在の名称に変更されました。長年にわたり、航空自衛隊の航空交通管制を担ってきた歴史ある部隊です。

主な沿革

1957年：「航空保安管制気象群」が編成。
1959年：各管制分遣隊が管制隊に改編。
1961年：「航空保安管制気象群」が廃止、「保安管制気象団」が新編。「保安管制群」が設置。
1989年：保安管制群が「航空保安管制群」に改編。
2003年：移動管制隊を編成。
2004年：小牧管制隊を新編。
2013年：航空保安管制群本部が府中基地に移転。
2018年:飛行管理隊が府中基地に移転。

部隊編成

現在の航空保安管制群は、以下の部隊で構成されています。

航空保安管制群本部（府中基地）
飛行管理隊（府中基地）
飛行情報隊（府中基地）
各管制隊（千歳、三沢、松島、百里、入間、小松、静浜、浜松、岐阜、小牧、美保、防府、芦屋、築城、春日、新田原、那覇）
移動管制隊（百里基地）

主要幹部

主要幹部は、部隊の運営を指揮する重要な役割を担います。

まとめ

航空保安管制群は、航空自衛隊の作戦遂行に不可欠な航空交通管制を担う部隊です。高度な専門知識と技術を持つ隊員たちが、日夜、日本の空の安全を守っています。また、民間航空との連携も密接に行い、日本の空域全体の安全確保に貢献しています。

関連項目

航空交通管理センター
海上自衛隊航空管制隊
陸上自衛隊中央管制気象隊

外部リンク

航空保安管制群 HP
府中基地所在部隊

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