航空協定

航空協定とは

航空協定（こうくうきょうてい）とは、国と国との間で国際民間航空に関する事項を取り決めるために締結される条約のことを指します。これらの協定は一般に二国間航空協定と呼ばれ、特に路線や輸送力、航空企業に関連する詳細が含まれます。

歴史的背景と主要条約

第二次世界大戦後の民間航空の枠組みは、1944年にシカゴで開催された国際会議を基に形成されました。この会議では領空の主権が再確認され、国際民間[[航空機関]]（ICAO）の設立が合意されました。しかし、当時の航空運送のビジネスに関しては合意が得られず、各国が二国間で締結する協定が必要となりました。この協定のモデルとなったのが、1946年に策定された英米間の第一次バーミューダ協定です。

現在、多くの航空協定は、航空当局間の合意に基づいて路線と輸送力について規定しています。そのため、航空企業は国際路線を自由に開設したり、増便したりすることが難しい状況です。この中で、1978年に米国で航空規制緩和法が制定され、その後は国内市場において航空の自由化が進められました。1992年にはオープンスカイ政策が発表され、合計92か国以上と規制を撤廃するオープンスカイ協定を締結しました。米国のこの政策は、自国の航空企業の利益を高めることを目的としているため、真の自由化とは言い難い面もあります。

オープンスカイ政策とEUとの関係

特にEUは、米国に対してカボタージュ（国内運送権）を認めているため、米国がこれを認めないことが公平でないと主張しています。このため、EUと米国とのオープンスカイ協定交渉は難航し、両者で協定が締結されました。

航空協定の基本的な取り決め

航空協定では一般的に、両国の航空当局間での協議によって輸送力に関する規定がなされます。また、付表に記載された内容は、これらの協議と外交公文の交換によって改正できることが通常です。

具体的には以下の権利が取り決められます：

• - 相手国の領空を無着陸で通過する権利（第1の自由）
• - 給油などのために相手国に着陸する権利（第2の自由）
• - 合意した路線で旅客や貨物を運送する権利（第3・第4の自由）
• - 第三国からの貨物・旅客を運ぶ権利（第5の自由、以遠権）

さらに、空港利用料や燃料価格の問題、運賃の決定手続き、民間航空の安全対策についても協定に含まれます。

日本と国際的な航空協定

日本は1952年に米国と初めての航空協定を締結し、これまでに55か国および1地域と協定を結んできました。最近では2024年2月29日にチェコとの新たな協定が締結されています。日本と米国間の関係は特に重要ですが、1952年の協定内容には不平等な点が散見され、1998年には一定の平等性が達成される努力が続けられました。

日本は即座にオープンスカイ協定政策を導入していませんが、アジア・ゲートウェイ構想に基づき、韓国やタイとは2007年に乗り入れ地点や便数制限の撤廃を実現しました。国際航空の発展とともに、より公正な競争環境を整えるためには、今後も自国の航空政策を再検討する必要があるでしょう。

もう一度検索