航空機動軍団

航空機動軍団 (Air Mobility Command, AMC)

航空機動軍団（AMC）は、アメリカ空軍に属する部隊であり、輸送機と空中給油機の運用を主要なミッションとしています。その本部はイリノイ州のスコット空軍基地に位置し、指揮官は空軍大将が務めています。現在、AMCは14万人以上の隊員を擁し、世界中のアメリカ軍を支える役割を果たしています。

主な任務と機能

AMCの主任務は、世界各地に展開するアメリカ軍部隊への支援であり、輸送機や空中給油機を使用して物資や兵站の迅速な輸送を実現しています。軍団はエアフォースワンの運航を担当する第89空輸航空団も管轄しており、軍用機に限らず、有事には民間の予備航空隊（Civil Reserve Air Fleet）も統括するほか、幅広い責任範囲を持っています。

設立の背景と歴史

AMCは、1992年6月1日に設立されました。冷戦の時代には、空中給油機と輸送機はそれぞれ戦略航空[[軍団]]（SAC）と軍事空輸軍団（MAC）によって運用されていましたが、冷戦後の組織改編によって、それらが統合される形でAMCが誕生しました。この頃、戦略航空[[軍団]]の爆撃機は航空戦闘[[軍団]]に移管され、空中給油機と輸送機を一元的に管理する新たな組織が必要とされていたのです。

設立当初、AMCは第15空軍と第21空軍からなる2個航空軍体制でしたが、2003年10月には第18空軍と2つの遠征機動任務部隊（第15及び第21）に再編され、より効率的な運営が目指されるようになりました。

編成と主要機材

AMCは多様な航空団や部隊から構成されています。具体的には、第6航空機動航空団、第60航空機動航空団、第305航空機動航空団などが含まれます。輸送機としては、C-17グローブマスターIII、C-5ギャラクシー、C-130ハーキュリーズなどが主に運用されています。また、空中給油機にはKC-10AエクステンダーやKC-135ストラトタンカーが使用されています。

主要な部隊

• - 第18空軍 (18AF)
• - 第6航空機動航空団 (6AMW)
• - 第60航空機動航空団 (60AMW)
• - 第305航空機動航空団 (305AMW)
• - 第43空輸航空団 (43AW)
• - 第62空輸航空団 (62AW)
• - 第89空輸航空団 (89AW)
• - 第375空輸航空団 (375AW)
• - 第436空輸航空団 (436AW)
• - 第437空輸航空団 (437AW)

さらに、AMCは航空機の輸送と給油の両面で必要不可欠な役割を果たすため、各部隊が効率的に連携し、迅速な対応を実現しています。AMCの存在は、アメリカ軍全体の迅速な展開能力と世界各地への支援体制を支える大きな要素となっています。

もう一度検索