航空開発実験集団

航空開発実験集団について

航空開発実験集団（Air Development and Test Command）は、航空自衛隊が運用する航空機や各種装備品の開発、そして航空医学や人間工学に関する研究を専門に行う組織です。航空自衛隊の技術力向上と、隊員の安全かつ効率的な活動を支える重要な役割を担っています。司令部は東京都府中市の府中基地に所在し、空将が司令官を務め、防衛大臣の指揮監督を受けています。

沿革

航空開発実験集団は、その前身となる組織を含め、以下のような歴史を歩んできました。

1955年12月1日: 浜松基地において「実験航空隊」が編成されました。これが航空開発実験集団のルーツとなります。
1974年4月11日: 実験航空隊が廃止され、新たに「航空実験団」が編成されました。この改編により、より専門的な研究体制が整えられました。
1989年3月16日: 航空実験団と航空医学実験隊などが統合され、「航空開発実験集団」が新編されました。司令部は入間基地に置かれました。この統合により、航空機の開発から医学研究までを包括的に行う体制が確立しました。
2006年12月15日: 航空医学実験隊の総務部、第3部、第4部が立川分屯基地から入間基地へ移転しました。
2013年4月1日: 電子開発実験群が入間基地から府中基地へ移動しました。これは、研究体制の効率化を目的としたものです。
2014年8月1日: 司令部が入間基地から府中基地へ移動しました。これにより、組織の中枢機能が府中基地に集約されました。
2021年4月1日: 司令部研究開発部の開発課、研究課、航空医学課が廃止され、新たに技術課が新設されました。これは、技術革新への対応と研究体制の再編を目的としたものです。
2022年3月14日: 航空医学実験隊の第1部、第2部が立川分屯基地から入間基地へ移動しました。
2024年4月1日: 司令部に装備開発官が新設されました。これにより、装備品の開発に関する専門性がより強化されました。

部隊編成

現在の航空開発実験集団は、以下のような組織で構成されています。

司令部: 組織全体を統括する中枢機関です。
装備開発官：装備品の開発に関する専門的な業務を行います。
総務部：組織運営や人事などを担当します。
総務課：組織全体の事務を統括します。
人事課：隊員の人事管理を行います。
研究開発部：航空機や装備品の研究開発を行います。
計画課：研究開発の計画立案を行います。
技術課：技術的な研究や開発を行います。
装備課：装備品の開発や管理を行います。
監理監察官：組織の運営状況を監察します。
医務官：隊員の健康管理を行います。
飛行開発実験団：岐阜基地に所在し、航空機の飛行試験や評価を行います。
電子開発実験群：府中基地に所在し、電子機器やシステムの開発実験を行います。
航空医学実験隊: 入間基地に所在し、航空医学や人間工学に関する研究を行います。

主要幹部

航空開発実験集団の主要な幹部は、空将である司令官を筆頭に、各部署の責任者がいます。

関連組織

航空開発実験集団は、以下の組織と連携し、防衛技術の開発に取り組んでいます。

技術研究本部：防衛省の研究開発機関です。
陸上自衛隊開発実験団・開発隊群：陸上自衛隊の装備品開発を行います。
陸軍航空審査部：大日本帝国陸軍に存在した、航空機の審査や開発を担当する組織です。航空開発実験集団の前身組織の一つと言えます。

外部リンク

* 航空開発実験集団HP

航空開発実験集団は、航空自衛隊の技術力を支える重要な組織であり、日々、航空戦力の強化と隊員の安全確保のために活動しています。

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