船明ダム

船明ダムについて

船明ダム（ふなぎらダム）は、静岡県浜松市天竜区にあるダムで、天竜川に建設されています。このダムは天竜川の電源開発計画の末期に設計されたもので、1972年に工事が始まり、1977年に完成しました。最南端の位置にあり、堤高は24.5メートルで、コンクリート製の重力式ダムです。主な目的は船明発電所での発電ですが、上水道や工業用水、灌漑用途にも利用されています。

ダムの構造と特徴

船明ダムは、その特徴として世界最大級のローラーゲートを持ち、堤高が低いため、その姿はほとんどゲートそのものと見えるほどです。ダムには魚道も設けられており、これは鮎の遡上を妨げないための工夫です。魚道の延長は247メートルあり、そのうち169メートルはトンネル部分で、専用の照明も設置されています。このような設備は、自然環境の保護への配慮から現在も珍しいものと言えます。

船明ダムの完成により、天竜川の電源開発事業は52年の歴史に幕を下ろしました。これまでの河川利用の歴史の中で、ここは重要な役割を果たしました。

ダム湖の意義

船明ダム湖は、1984年に相津マリーナが設立されましたが、以前はあまり利用されていませんでした。最近ではカヌー競技などが盛んになり、多くの人々が湖水を親しむ場となっています。湖面は風や波が少なく、安定した水深が提供されているため、ボート競技に理想的な環境が整っています。また、2000メートルの長い直線コースが確保されており、全国的にも有名なボート競技の開催地にもなっています。

観光とレクリエーション

船明ダム周辺は、アウトドアスポーツや自然レジャーの拠点となっています。左岸には、道の駅天竜相津花桃の里が設立され、地域の観光スポットとして機能しています。春になると、ソメイヨシノの桜並木が賑わい、花見客でにぎわうことが特徴です。ダム湖は釣り好きにも人気があり、冬季の禁漁期間以外では多くの釣り人が訪れ、鮎釣りやバス、ヘラブナの釣りが楽しめます。

また、周辺はサイクリングの名所でもあり、アクセスの良い道が整備されています。特に防波堤の道路は交通量が少なく、走りやすいと評判です。自用車で訪れる方々にも手軽にサイクリングを楽しむ機会が提供されています。

制約がある期間もありますが、湖面やその周辺での様々なイベントや大会が開催されており、観光資源としての価値も高まっています。出発点として、また歴史的な観光地にも恵まれ、二俣城址をはじめ、周辺には多くの名所があります。

結論

船明ダムは地域にとって重要な水資源であり、観光やレクリエーションの場としても機能しています。自然と共存しながら、地域の振興へ一役買っているこのダムは、今後も多くの人々に親しまれることでしょう。

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