船橋ヘルスセンター

船橋ヘルスセンターの歴史と魅力

船橋ヘルスセンターは、1955年11月3日に千葉県船橋市浜町にオープンし、1977年5月5日に閉館した総合レジャー施設でした。この施設は、海に面した12万坪の広大な敷地に、温泉を中心にしたさまざまなレジャー施設を備えていました。開業当初のキャッチフレーズは「海辺に1万坪の白亜の温泉デパート」であり、当時の人々の心を掴みました。

建設と開業の背景

船橋ヘルスセンターは、船橋市が地域の観光事業を充実させるために計画されたもので、地元の議員による提案で実現しました。開発のディレクターである丹沢善利が温泉と浴場を中心とした施設設計を行い、1955年に開業しました。入場料は120円と手頃で、充実した入浴施設のほか、プールや遊戯場、さらには隣接する船橋サーキットなど、多彩なアクティビティが楽しめました。特に浴場は利用し放題で、無料で使用できるスペースも多かったため、多くの家族連れや観光客に人気でした。

人気の要因とイベントの数々

1962年には、横山隆一のアニメーションと三木鶏郎の作詞・作曲によるCM『長生きチョンパ』が放送され、そのユニークな内容が広く知られることとなりました。この年からは若年層をターゲットにした施設の増設が進められ、ボウリングやスキー、スケートなどの新しいアクティビティが加わりました。

また、全盛期にはザ・タイガースなどの人気アーティストによる屋外ステージでの歌謡ショーや、TBSの公開放送『8時だョ!全員集合』など、さまざまなイベントも行われ、全国的にも注目を集める場所となりました。さらに、ローラースケート場は国際プロレスの試合会場にもなり、多くのファンを魅了しました。

暴力団の襲名披露会と社会的影響

しかしセンターの広大さを利用して、暴力団の襲名披露会が行われたこともありました。1970年には、大規模な襲名披露会が行われ、暴力団員約400人が利用し、一般客の中に混ざるという騒動が起きました。この事件は、施設に対する警察の対応が求められ、地域社会にも影響を与える事態となりました。

終焉と新たなスタート

1970年代に入るとレジャー施設が多様化し、来場者数は減少していきました。1971年には地盤沈下抑制のため温泉やガスの汲み上げが禁止され、1977年には閉園に追い込まれました。閉館後、跡地には1981年に商業複合施設「ららぽーと船橋ショッピングセンター」がオープンし、地域の新たな拠点となりました。

船橋ヘルスセンターの後の名残

現在でも、船橋ヘルスセンターに関連する名残は残っています。最寄駅のセンター競馬場前駅は、そのままの名前で運営を続けましたが、1987年に「船橋競馬場駅」に改称されました。また、かつての雰囲気を体験できる遊具「ららぽーと号」も設置され、訪れる人々に親しまれています。

このように、船橋ヘルスセンターは多くの人々に愛され、記憶に残る施設となりました。その栄華が今も語り継がれています。

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