船見町駅

船見町駅について

船見町駅（ふなみちょうえき）は、愛知県名古屋市港区の船見町に存在する名古屋臨海鉄道の汐見町線に属する貨物駅です。現在、正式な列車の運行は行われていないものの、地域の交通インフラの一部として、その歴史は長いものがあります。

歴史の概観

船見町駅の起源は1930年代に遡ります。この時期、愛知県が専用鉄道を非電化の単線で建設しました。その後、1940年には名古屋鉄道が行った工事によって、県営鉄道の補修や延伸が進み、歴史が進展していきました。1941年、県営鉄道が名鉄の利用を暫定的に許可され、運用が名古屋鉄道に委託されました。1950年には名鉄の連絡運輸が再び承認され、地域の輸送に寄与しました。

1970年代には、名古屋臨海鉄道が船見町線として地方鉄道経営免許を取得し、1965年には汐見町線と統合されて名古屋臨海鉄道の船見町駅が開業しました。最初の専用線として、片倉チッカリンや協同飼料、八幡化学工業、伊勢湾海運が接続しています。これらの会社は、貨物輸送の重要な役割を果たしていました。

その後、1970年代には専用線の拡張が続きましたが、1976年には構内で脱線事故が発生するなど、安全面での課題もあったことが記録されています。1988年には協同飼料専用線が廃止され、長い年月を経て、2015年には営業休止となりました。

駅の構造と機能

船見町駅は東港駅からわずか0.9キロメートルの距離にあり、貨物駅としての機能を果たしていましたが、現在は列車の運行が行われておらず、実質的には営業休止状態です。かつては車扱貨物の取扱いがあったものの、現在ではそれも行われていません。

取扱貨物と周辺施設

船見町駅にはかつて多くの専用線が接続していましたが、現在は全てが廃止されており、駅周辺の状況も変わっています。周辺には片倉コープアグリ名古屋工場、フィード・ワン名古屋工場、日本アクリル化学名古屋工場といった工場が立ち並んでおり、地域産業の重要な拠点となっています。また、愛知県道225号名古屋東港線も近く、物流面での重要な役割を果たす道路となっています。

隣接駅と関連情報

船見町駅の隣には、東港駅と汐見町駅があり、いずれも現在は営業を休止しています。かつてはこれらの駅がネットワークを形成し、名古屋港へのアクセスを支える重要な施設として機能していました。

このように、船見町駅は流通や地域の産業に深く関わる歴史を持つものの、近年ではその役割が変化してきています。過去の栄光を偲びつつ、未来の動向にも注目が集まっています。

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