芝国際中学校・高等学校

東京都港区芝四丁目に位置する、私立の中学校および高等学校です。百二十年を超える歴史を持ち、近年、大きな教育改革を経て新たなスタートを切りました。

歴史と変革

本校の起源は、1903年に棚橋一郎氏らによって設立された「私立東京高等女学校」にあります。これは東京府下で最初に誕生した私立の高等女学校の一つであり、日本の近代女子教育において重要な役割を果たしてきました。創立以来、「東京高等女学校」「東京女子中学・高等学校」と校名を変遷させながら、長らく「東京女子学園中学校・高等学校」として親しまれてきました。この長い歴史の中で、学校は「自立した女性」「世界とつながる女性」「教養と行動力を兼ね備えた女性」の育成を使命として掲げ、社会の様々な分野で活躍する多くの卒業生を送り出してきました。

教育への積極的な取り組みとして、2020年度の中学入試では、日本国内で初めてとなる「スマホ持ち込みOK入試」を実施しました。このユニークな試みは、学術的な観点からも高く評価され、多くのメディアやSNSで取り上げられるなど、教育界内外で注目を集めました。

そして、創立120周年の節目を迎えた2023年、学校は大きな転換期を迎えます。教育内容のさらなる深化を目指し「文理融合」教育への改革に着手。同年4月には、学校名を「芝国際中学校・高等学校」と改称し、長年の伝統であった女子校から男女共学へと移行しました。この歴史的な変革とともに、校舎も最新設備を備えた新校舎へ移転し、教育環境も大幅に刷新されています。

教育理念と学びのコース

現在の芝国際中学校・高等学校の教育理念は、「人の中なる人となれ」そして「挑戦行動突破そして貢献へ」です。この理念のもと、生徒一人ひとりが主体的に学び、困難に立ち向かい、社会に貢献できる人材へと成長するための教育が行われています。

中学校では、基礎学力をしっかりと定着させる「本科コース」と、グローバルな視点や国際的なコミュニケーション能力を養う「国際ADVANCEDコース」を提供しています。高等学校には、難関大学への進学を目指す「最難関選抜コース」と、中学校からの継続または新たに国際的な学びを深める「国際ADVANCEDコース」が設けられています。これらの多様なコースは、生徒たちの興味関心や将来の目標に応じた、専門的かつきめ細やかな学びを可能にしています。

学校生活と伝統

生徒たちは、学習活動に加えて様々な部活動にも積極的に参加しています。文化系の部活動には、演劇部、華道部、茶道部、箏曲部、漫画部、軽音楽部、吹奏楽部、英語部、美術部、生物部、調理部、手話部、歴史部などがあり、生徒たちはそれぞれの興味を追求し、感性や知識を豊かにしています。運動系の部活動も活発で、バレーボール部、バドミントン部、スキー部、卓球部、ダンス部、ソフトテニス部、バスケットボール部、硬式テニス部などが活動しており、スポーツを通じて体力向上や協調性を育んでいます。

本校の制服には、1903年の創立時から続く独自の伝統が息づいています。それは、制服に用いられる「白線」です。特に、旧制服で紫紺の袴の三寸上に施されていた白線は、「正しく素直に、常に気品と清浄とを保つこと」という、学校が大切にしてきた精神性を象徴するものでした。現在のブレザースタイルの制服にも、この伝統的な白線の意匠が受け継がれており、生徒たちは歴史と伝統を感じながら日々を過ごしています。冬服は中学・高校ともにブレザーが基本、夏服はブラウスが基本ですが、冬服には正装用の制服、夏服にはセーターやベストの重ね着アイテムも用意されています。体操服や通学用リュックなども指定されています。

アクセスと主な出身者

本校は都心に位置し、大変便利な交通アクセスを誇ります。都営浅草線および都営三田線の三田駅から徒歩約2分、JR京浜東北線および山手線の田町駅からは徒歩約5分、さらに都営大江戸線の赤羽橋駅からも徒歩約10分と、複数路線を利用しての通学が可能です。

120年以上の歴史の中で、本校からは様々な分野で活躍する数多くの卒業生が巣立っています。主な出身者としては、宝塚歌劇団卒業生で女優の初瀬乙羽さん、女優の深水藤子さん、山本みどりさん、大竹一重さん、声楽家の安田祥子さん、モデル・タレントの梨花さん、中山史奈さん、漫画家の江口夏実さん、歌手の宇野美香子さんなどが挙げられます。

伝統を重んじながらも、時代の変化を捉えた教育改革を進める芝国際中学校・高等学校は、生徒たちが未来を切り拓く力を育むための環境を提供し続けています。

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