芝大神宮

芝大神宮（しばだいじんぐう）

芝大神宮は東京都港区芝大門一丁目に位置する神社で、東京十社の一つとしてかつて准勅祭社に指定されていた歴史ある場所です。名称は、もともと「神明」や「神明宮」と呼ばれていたが、長い歴史の中で地域の変遷と信仰の影響を受けて改名が進み、最終的に明治5年（1872年）に「芝大神宮」と名付けられました。

祭神とその信仰

この神社の祭神には、伊勢神宮内宮の主祭神である天照皇大御神と、外宮の主祭神である豊受大御神が祀られています。豊受大御神に関しては、東京都内では珍しく神札が授与されるのも特徴的です。また、源頼朝や徳川家康の霊も相殿に祀られています。

歴史の中の芝大神宮

芝大神宮の創建は、武蔵国の伊勢神宮の御厨である飯倉御厨に由来するとされています。伝えによれば、一条天皇の時代である寛弘2年（1005年）に伊勢の神々が勧請され、神社が設立されたといいます。源頼朝はこの神社に社領を寄進し、中世を通じて武士たちから信仰を集めました。特に戦国時代には、太田資長や豊臣秀吉、徳川家康といった名だたる武将に信仰され、社参や寄進が行われました。

その後、明治時代に入ると神社の管理体制が整備され、神職の運営に関する改革が行われました。明治元年の神仏分離政策によって別当職が廃止され、神主職が重要な地位を占めるようになりました。

芝大神宮の祭り

この神社の年間の祭事には重要なものが数限りなくあります。特に、9月16日に行われる例大祭は「だらだら祭り」として知られ、長期間にわたって神輿の渡御が行われます。また、毎年10月17日に行われる貯金祭りは、近隣の銀行に由来するもので、貯蓄や貯金の加護を祈願する重要な祭事です。節分祭も特徴的で、江戸町火消しの「め組」による特別な行事が行われます。

社殿と文化財

芝大神宮には多くの文化財が存在します。特に、長沢芦雪筆の人物図や江戸時代の神楽面、また戦国時代の古文書も含まれています。これらの文化財は、神社自体の歴史と地域社会との深い関わりを物語っています。

アクセス

訪れる際には、公共交通機関を利用するのが便利です。JR山手線・京浜東北線の浜松町駅から徒歩5分、都営浅草線・大江戸線の大門駅からは徒歩わずか1分の立地です。

芝大神宮は、かつての江戸時代から続いてきた信仰の場として、今でも多くの人々に親しまれています。その歴史的背景は、伊勢信仰の中心的存在としての役割や、数多くの武士や民衆に支えられてきたことによるものです。神社の祭りや授与品には、その名残が色濃く残っており、訪れる人々に深い感動やつながりを与えています。

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