芝蘇呂門

芝蘇呂門（しば そろもん）の生涯と業績

芝蘇呂門（1906年 - 没年不詳）は、日本の映画界に名を刻んだ映画監督であり脚本家です。本名は佐々木美長（ささき よしなが）であり、彼は最初に脚本家としてデビューを果たし、その後監督に転身しました。彼のキャリアは1920年代から1930年代にかけて展開され、多くの作品を通じて当時の映画業界に影響を与えました。

出生と初期の経歴

1906年、長野県松本市で生まれた芝は、大学を卒業後、映画監督の鈴木謙作に師事し、日活大将軍撮影所に入社します。19歳の時、鈴木監督にオリジナル脚本が採用され、彼の名を広めるきっかけとなる『血の人形』が1935年に公開されます。この作品は彼の脚本家としてのデビュー作であり、映画界への道が開かれました。

その後、芝は同じく鈴木監督の影響を受け、マキノ・プロダクションへと移籍します。そして、1926年には自身のオリジナル脚本による作品が公開され、映画監督としても活動を本格化させます。

成功と変遷

1927年には自らの脚本で映画『踊る霊魂』の監督を務め、名監督としての第一歩を踏み出します。この作品は彼にとって監督デビュー作となり、続く『狂めく舞踏場』も高く評価されました。多くの成功を収めた後、彼は会社を退職し、休養に入りますが、この時期に映画の研究のためアメリカへ渡ります。

1929年に帰国後、彼はマキノに復帰し、改名した「神田金太郎」として新たなスタートを切ります。この名前での活動を通じて、ますます注目を浴びることになります。また、帰国後早々に公開された『職工慰安会』は、彼にとって帰国後の第一作となり、再び映画界の注目を集めます。

映画制作と影響

神田金太郎としても活躍し、数々の作品を生み出しました。その中でも特に記憶に残るのが、市川右太衛門プロダクションとのコラボレーションで制作された『榛名の梅ケ香 安中草三』です。この作品は1931年に公開され、さまざまな評価を集めました。

彼が手がけた作品はすべてサイレント映画の時代のものであり、時代の変化と共に彼自身の姿も次第に見えなくなっていきます。最後に彼が作品に関わったのは『血煙一番槍』であり、その後の彼の動向は不明です。

晩年と影響

第二次世界大戦後、小石栄一監督が母ものの映画の撮影のため松本市を訪れた際に、芝蘇呂門が彼に接触し、近況を語ったとされています。さらに、母校でテニスを教えつつ、家業の賃貸収入で暮らしていたという情報もあります。彼の最期については詳細がわからず、没年は不詳です。芝蘇呂門は、映画界における独自の足跡を残した人物であり、彼の作品は今も多くの人々に影響を与え続けています。

代表作品

芝蘇呂門が手がけた作品の中には、以下のようなものがあります。

• - 佐々木美長名義

- 『血の人形』

• - 芝蘇呂門名義

- 『踊る霊魂』
- 『狂めく舞踏場』

• - 神田金太郎名義

- 『職工慰安会』
- 『榛名の梅ケ香 安中草三』
- 『血煙一番槍』

彼の作品は、サイレント映画時代の日本映画を理解するための重要な礎となっています。

もう一度検索