芦之湯村

芦之湯村（あしのゆむら）

芦之湯村は、かつて神奈川県西部の足柄下郡に属していた村です。現在の箱根町の一部となっています。

地理

村の中央部を東西に国道1号が横断しており、この国道1号の最高標高地点が村内に位置していました。村内には上二子山などの山々がそびえています。

歴史

芦之湯村の歴史は古く、802年から803年にかけての富士山の噴火によって、足柄路（足柄峠）が一時的に閉鎖された際、代わりに箱根路が東海道として利用されたことに始まります。その後、足柄峠のルートが再開してからも、二つの街道が並存する形となりました。

1280年には、行者たちが信仰的な湯治場として芦之湯温泉を利用していたという記録が残っています。江戸時代の1604年には、東海道のルートが湯坂道から須雲川沿いの道（現在の神奈川県道732号湯本元箱根線）に変更されました。

1662年には、勝間田清左衛門がこの地にあった湿地「阿字ヶ池」を干拓・開発し、温泉場としての歴史が始まりました。明治時代の1884年には、箱根駅、元箱根村とともに「箱根駅外二ケ村」連合戸長制を敷き、行政を行いました。

1889年4月1日の町村制施行により、芦之湯村が正式に発足しました。当時、村の規模が非常に小さく、公民の数が少なかったため、村会の代わりに公民全員による町村総会が設けられていました。これは、町村制下においては唯一の例であり、現行の地方自治法においても、かつて八丈小島にあった東京都宇津木村（現八丈町）に設けられていた1例があるのみです。

1904年には、宮城野と芦ノ湖畔を結ぶ人力車道（後の国道1号）が開通し、1920年4月1日には、この道が正式に一級国道1号に指定されました。

1954年1月1日、箱根町外二ヶ村組合の箱根町、元箱根村とともに合併し、新たに箱根町となりました。

交通

道路
一級国道1号（現在の国道1号）

名所・旧跡・観光スポット

芦之湯温泉
恩人碑（江戸時代の儒者雨森宗真が建てた碑）

出身著名人

野村ミチ（横浜YWCA会長、生家:温泉旅館紀伊国屋）

関連項目

神奈川県の廃止市町村一覧

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