芦屋本線料金所

兵庫県芦屋市に位置する芦屋本線料金所（あしやほんせんりょうきんじょ）は、阪神高速道路の主要路線である3号神戸線に設けられた本線料金所の一つです。この料金所は、大阪方面から西進し、神戸、さらには第二神明道路や姫路方面へと向かう車両を対象としており、その進行方向のみに設置されています。

3号神戸線は京阪神間の大都市を結ぶ重要な幹線道路であり、特に芦屋付近は交通量が非常に多い区間として知られています。そのため、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆などの交通が集中する繁忙期には、芦屋本線料金所を先頭とした長い渋滞が発生することが少なくありません。料金収受のために車両が減速・停止する必要があることが主な要因です。将来的には、日本全国の高速道路における車両へのETC搭載が義務化され、料金収受システムが統一・高度化されることで、料金所での通過がよりスムーズになり、現在見られるような渋滞が大幅に緩和されることが期待されています。

芦屋本線料金所には、合計で7つの料金収受ブースが設置されています。内訳としては、ETC専用レーンが4ブース、一般レーンが3ブースとなっています。ただし、ETC専用レーンは、時間帯や料金所の混雑状況に応じて、ETC搭載車だけでなく一般車両も通行可能な「ETC/一般」混在レーンとして運用される場合があります。この運用形態は、交通需要に応じて柔軟に対応するための措置です。

ブースの配置には独特の特徴があります。特に、最も右側に位置する3つのブースは、主として右側の車線から進入する車両のために設けられています。一方、左側の車線からETCレーンを利用する車両のために確保されたブースは、物理的に料金所のかなり左端に寄って配置されています。こうした配置のためか、本来であれば左側車線から安全に進入すべきETC搭載車などが、料金所手前で無理な車線変更を行い、右側のETCレーンや一般レーンに強引に割り込むように進入してくる事例が頻繁に見られます。料金所付近での急な進路変更は、他の車両との接触事故や玉突き事故など、重大な交通事故を引き起こす危険性が非常に高いため、利用者には自身の通行するブースを事前に確認し、早期に安全な方法で適切な車線へ移動すること、そして料金所では十分に減速し、周囲の状況に細心の注意を払うことが強く求められます。安全な交通のためには、利用者一人ひとりのマナーと注意が不可欠です。

この芦屋本線料金所のすぐ南側にあたる地上部分には、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災において、阪神高速道路上を走行中に被災し、尊い命を落とされた16名の方々を追悼するための慰霊碑が建立されています。これは、震災発生当時の阪神高速道路の管理者であった阪神高速道路公団（現在の阪神高速道路株式会社）によって設置されたものです。普段、慰霊碑が立つ敷地は一般には公開されておらず、門扉が施錠されているため、慰霊碑本体の近くまで立ち入ることはできません。しかし、門扉のすぐ傍には、震災の記憶、犠牲者への追悼の思い、そしてこの場所に慰霊碑が建立された経緯などを記した詳細な碑文が刻まれた説明板が設置されており、通りがかった人々が立ち止まって内容を確認し、犠牲者を偲ぶことができるようになっています。この慰霊碑は、大震災の悲惨さを伝え、改めて交通インフラの安全性や防災意識の重要性を訴えかける、後世への貴重なメッセージとなっています。

阪神高速3号神戸線上の芦屋本線料金所の近傍には、複数の出入口が配置されています。大阪方面から料金所へ向かう途中（西行き）には、「3-11 芦屋出入口」が位置しており、ここから3号神戸線に進入した車両が料金所を通過することになります。一方、料金所を通過して神戸方面へ進んだ先には、「3-12 深江出入口」があります。これらの出入口と本線料金所が近接しているため、本線を走行する車両と、出入口を利用する車両との間で、合流や分岐、車線変更などが発生しやすくなっています。利用者は、特にこれらの区間において、周囲の車両の動きに十分注意し、安全な速度と車間距離を保って走行する必要があります。

道路交通に関連する用語としては、「料金所」が本料金所と直接関連が深いです。芦屋本線料金所に関するより詳細な情報や最新の通行料金、交通状況などについては、阪神高速道路の運営事業者である「阪神高速道路株式会社」が提供する公式情報源（ウェブサイトなど）を参照することが推奨されます。

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