芭露駅

芭露駅について

芭露駅（ばろうえき）は、かつて北海道の湧別町に存在した日本国有鉄道（国鉄）湧網線の駅です。この駅は、1935年10月20日に鉄道省湧網西線の中湧別駅から計呂地駅へ至る区間の開通に伴い開業されました。駅の電報略号は「ハロ」で、事務管理コードは▲122401でした。この小さな駅は、1949年に日本国有鉄道に移管され、1953年には湧網線に改称されることになります。

歴史の流れ

駅の歴史は、1987年3月20日に湧網線全線が廃止されるまで続きました。1982年には貨物・荷物の取り扱いを廃止し、無人駅となりましたが、それ以前には少なからず利用者もありました。当駅の名称は、その所在地である地名から名付けられています。アイヌ語の「パル」（口）または「パロ」（その口）に由来し、当駅周辺には大きな川も流れていました。

駅構造

廃止当時、芭露駅は1面1線の島式ホームを持つ地上駅典型でした。島式ホームは、一方の側だけを使用しており、元々は列車の交換も可能な2線を持つ駅でした。無人駅になった後も、当時の駅舎は構内の南西側に残っており、ホームとの連絡通路も完備されていました。

利用状況

乗降人員の推移に関する具体的なデータは限られていますが、別の年には年間の平均値が示されています。この情報は、訪れる人々の流れを知る手がかりとなります。

駅周辺の状況

駅の近くには国道238号や北海道道244号、491号が整備されており、湧別町役場の出張所や郵便局、学校など、地域の重要な施設があります。また、近隣には美しい芭露川やサロマ湖も位置しています。こうした自然や施設に囲まれた芭露駅は、地域の交通の要所として機能していました。

駅跡の保存について

芭露駅が閉鎖された後、地元住民によって結成された「旧芭露駅保存会」が、駅舎やホーム、レールを20年間にわたって保存してきました。駅舎は休憩所や簡易宿泊施設としても利用されていましたが、国道から離れた目立たない場所にあったため、訪問者は少なかったのが現実です。地域の高齢化や過疎化の影響もあり、2006年には駅舎が解体され、それに続いてホームや駅名標も撤去されました。

1999年時点で駅跡は廃駅の状態が保たれていましたが、2010年には記念碑のみが残る形になり、さらにその後に介護福祉施設「サポートセンターばろう」が建設される運びとなりました。記念碑はこの施設の中に設置されています。

隣接駅

芭露駅の隣には中湧別駅や計呂地駅が存在しており、オホーツク地域の交通にそれぞれの役割を果たしていました。運行が終了するとともに、それぞれの駅も異なる形で地域の歴史を物語っています。

このように、芭露駅はその機能を終えましたが、その歴史や地域との関係は多くの人々に語り継がれています。

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