花子 (グラフィックソフト)

花子：統合グラフィックソフトウェア

花子（はなこ）は、ジャストシステムが開発・販売している統合グラフィックソフトウェアであり、同社の登録商標です。1987年3月に最初のバージョンが発売されて以来、長年にわたりバージョンアップを重ね、現在ではWindows版が提供されています。

概要

花子は、ベクター形式の描画を基本としつつ、同梱の「花子フォトレタッチ」によってラスター形式のドロー機能も利用できる点が特徴です。Adobe IllustratorやCorelDRAW、Microsoft Visioといった競合製品と同様のコンセプトを持ちながらも、独自の機能や使いやすさを追求しています。

単体販売は『花子2022』で終了しましたが、その後も「一太郎 プラチナ」に搭載された『花子Personal』、法人ユーザー向けの『花子Pro』、警察機関向けの『花子Police』といった形で提供が継続されています。

特徴的な機能

花子は、バージョン2004から「図で考えるための道具」というコンセプトを打ち出しており、以下の様な特徴的な機能を搭載しています。

オートレイアウト機能： 文字枠内の行挿入/削除に連動して、他の文字枠の位置を自動的に調整します（Ver.2008以降）。
文字入力ウィンドウ： Ver.2007から搭載された、文字入力に特化したウィンドウです。
オートチャート（図解）機能： 簡単な操作で、さまざまな種類の図解を作成できます。
アニメーションGIF形式での保存： 作成した図形やイラストを、アニメーションGIF形式で保存できます。
クリップウインドウ： 複数のパレットを一つの画面領域にまとめて表示できます。
豊富なイラスト素材： 学校や職場、製図などで使用できる約23,000点のイラスト素材を収録しています。
スライド作成・表示機能： Microsoft PowerPointとの互換性があり、スライドの作成や表示が可能です。
クリッピング変形： 図形の範囲指定した部分を変形できます。
キーとメニューの完全カスタマイズ化： ユーザーの好みに合わせて、キーボードショートカットやメニューを自由にカスタマイズできます。

ファイル形式

花子の主なファイル形式は、独自形式の「.jhd」です。また、同梱のビットマップエディタである「花子フォトレタッチ」の主なファイル形式は、「.jmg」です。

バージョン履歴

花子は、MS-DOS時代にVer1とVer2が発売され、Ver3でWindowsに対応しました。Ver3.1は、当時の一太郎（Ver6.3）と並んで販売されていました。その後、一太郎がWindows 95に対応してバージョンアップしていく中で、花子はWindows 95対応版を発売せず、1998年に一太郎9に合わせて花子9が登場しました。この時に花子と一太郎のバージョンが統一されたため、花子のVer4～Ver8は欠番となっています。

花子2004以降は、バージョン番号を西暦年とする形式となりました。

主なバージョン

花子Ver1.0
花子Ver2.0
花子Ver3.0 for Windows
花子Ver3.1 for Windows
花子9（1998年9月25日発売）
花子10（1999年9月23日発売）
花子10 /R.2（2000年6月23日発売）
花子11（2001年2月9日発売）
花子12（2002年2月8日発売）
花子13（2003年2月7日発売）
花子2004 (14)（2004年2月6日発売）
花子2005 (15)（2005年2月10日発売）
花子2006 (16)（2006年2月10日発売）
花子2007 (17)（2007年2月9日発売）
花子2008 (18)（2008年2月8日発売）
花子2009 (19)（2009年2月6日発売）
花子2010 (20)（2010年2月5日発売）
花子2011 (21)（2011年2月10日発売）
花子2012 (22)（2012年2月10日発売）
花子2013 (23)（2013年2月8日発売）
花子2014 (24)（2014年2月7日発売）
花子2015 (25)（2015年2月6日発売）
花子2016 (26)（2016年2月5日発売）
花子2017 (27)（2017年2月3日発売）
花子2018 (28)（2018年2月9日発売）
花子2019 (29)（2019年2月8日発売）
花子2020 (30)（2020年2月7日発売）
花子2021 (31)（2021年2月5日発売）
花子2022 (32)（2022年2月10日発売、2023年2月9日単体販売終了）

関連項目

ジャストシステム
一太郎
三四郎
Adobe Illustrator
* CorelDRAW

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