Microsoft Visio

Microsoft Office Visio について

Microsoft Office Visioは、マイクロソフトが提供する作図ソフトウェアです。設計図、ダイアグラム、フローチャートなど、ビジネスや技術分野で必要となる様々な図面を作成できます。Microsoft Officeシリーズの一部ですが、Windows版のみが提供されており、macOS版はリリースされていません。また、Officeの統合パッケージには含まれず、単体製品として販売されています。

概要

Visioには、ビジネス文書やプレゼンテーションでよく使用される図形部品が豊富に用意されています。フローチャートやオフィスレイアウト図といった基本的な図から、複雑なネットワーク構成図や建築設計図まで、多岐にわたる図面作成に対応可能です。部品は詳細な変形が可能で、効率的な図式化を実現します。作成した図面は、WordやPowerPointなど、他のMicrosoft Officeアプリケーションに連携して利用することも可能です。

歴史

Visioのルーツは、1992年に米ライトハウスデザインが開発したNeXTSTEP用ソフトウェア「Diagram!」に遡ります。その後、Shapeware Corporation（後のVisio Corporation）がWindows版として複製・開発しました。日本ではアスキーが販売していましたが、バージョン5および2000はビジオジャパンから発売されました。2000年1月にマイクロソフトがVisio Corporationを買収し、2002年以降はMicrosoft Officeシリーズの一部として位置づけられています。

買収後には、Visio 2000 SR1、Visio 2002、Visio 2003、Visio 2007、Visio 2010、Visio 2013、Visio 2016、Visio 2019、Visio 2021と、継続的にバージョンアップされています。特に、ソフトウェア設計資料作成に役立つUMLステンシルが含まれていたことから、Microsoft Visual Studio .NET 2003のエンタープライズ版にバンドルされていましたが、2005年以降はバンドルされていません。しかし、Standard以上のエディションにはUML作成機能がサブセットとして搭載されています。

エディションごとの違い

Visioには、「スタンダード」と「プロフェッショナル」の2つのエディションがあります。

スタンダード: 一般的なビジネス用途に必要な機能に絞られています。
プロフェッショナル: IT関連、建設、製造業など、高度な図面作成を必要とする分野向けの機能が豊富に搭載されています。

共通して使用可能な部品

Visioには、以下のような幅広い図面作成に役立つ部品が用意されています。

チャート・グラフ関連
マーケティング図表
ネットワーク構成図
フローチャート関連
ブレーンストーミング (Visio 2003以降)
プロジェクトスケジュール (Microsoft Projectとの連携可能)
ブロック図
オフィスレイアウト図
組織図
道路設計図

プロフェッショナル版のみの機能

プロフェッショナル版では、以下のような専門的な図面作成をサポートする機能が追加されています。

ピボットダイアグラム
Web関連図面 (Web開発者向け)
UMLモデル図、Windowsインターフェイス図、プログラム構成図 (ソフトウェア開発者向け)
データベースモデル図 (データベース設計者向け)
Active Directory図、Novell Directory Services図 (ネットワーク管理者向け)
配管・計装図 (配管工事関係者向け)
部品設計 (鉄鋼関連の製造業向け)
フロアプラン、空間設備関連、住宅設計、電気通信関連 (住設・建築業向け)
電気工学関連

プロフェッショナル版の機能は、CADソフトと類似するものが多く、一から設計するのが苦手なユーザーにも適しています。

類似ソフトウェア

Visioの類似ソフトウェアとして、以下のものが挙げられます。

OmniGraffle (macOS)
Dia
Apache OpenOffice Draw
LibreOffice Draw
花子 (Windows)
LucidChart (Web)
Gliffy (Web)
yEd

関連項目

オフィススイートの比較
OmniGraffle

外部リンク

Microsoft Visio
Visio のヘルプとラーニング - Microsoft サポート
Microsoft Visio 2016 Viewer - 閲覧専用ソフト

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