花山院定好

花山院定好（かさんのいん さだよし）は、慶長16年（1611年）に元服し、江戸時代前期の公卿としてその生涯を歩み始めました。父は左大臣を務めた花山院定煕であり、名門花山院家の21代当主として、朝廷において重要な役割を担いました。

官位は最終的に従一位・左大臣にまで上り詰め、その経歴は華々しいものでした。元服後、侍従に叙爵されたのを皮切りに、着実に昇進を重ね、寛永8年（1631年）には権大納言に任じられます。権大納言は寛永20年（1643年）まで務めました。その後も慶安2年（1649年）には内大臣に就任しますが、間もなく辞職しています。承応2年（1653年）から翌年にかけては右大臣、万治3年（1660年）には従一位へと昇叙し、寛文元年（1661年）から寛文3年（1663年）にかけて左大臣を務めました。このように、要職を歴任したことからも、彼が朝廷においていかに重きをなしていたかが窺えます。

また、花山院定好は文化的な貢献もしており、寛文年間には十輪寺を再建しています。荒廃していた寺の復興に尽力したことは、彼の信仰心と文化的造詣の深さを物語っています。

延宝元年（1673年）に73歳で薨去。彼の死は、朝廷にとっても大きな損失でした。

花山院定好の系譜は以下の通りです。

父：花山院定煕
母：朝倉義景娘
正室：鷹司信尚娘
子:
長男：花山院忠広 - 正五位下・侍従
次男：花山院定教
三男：花山院定誠
女子：花山院万子 - 鍋島直朝継室、祐徳院

花山院定好は、公卿としての職務を全うする傍ら、寺院の再建にも力を注ぎました。彼の生涯は、政治と文化の両面において多大な影響を与えたと言えるでしょう。彼の功績は、後世に語り継がれるべきものです。

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