花形冴美

花形 冴美（はながた さえみ）

花形冴美（1984年10月28日生まれ）は、日本の元プロボクサーで、美しいボクシング技術とバランスの取れた戦略で知られています。彼女は神奈川県横浜市に生まれ、父親が商社マンだったため、幼少期は海外を含む様々な場所で生活し、特にバーレーンで4年間日本人学校に通いました。帰国後、東京学芸大学教育学部附属竹早中学校へ進学し、その後は東京学芸大学教育学部附属高等学校でハンドボール選手としての活動を経て、医学部を志すことになります。

彼女のボクシングのキャリアは、父親の影響を受けて始動します。2008年に女子ボクシングの解禁を機に花形ボクシングジムに入門し、プロとしての道を歩み始めました。初戦では判定負けを喫しましたが、第2戦でTKO勝利を収め、一気に名前を広めていきます。

2010年には、初の6回戦で敗北を経験し、その後はしばらくの間欠場を余儀なくされました。しかし、2011年には復帰し、その後も徐々に勝利を重ねていきます。特に、2014年に行われたOPBF女子東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦では、見事なTKO勝利を収めて初のタイトルを獲得することに成功しました。この白星は、彼女にとって非常に重要なマイルストーンとなりました。

その後も王座防衛戦を戦いながら、数度の世界タイトルに挑戦。2018年にはIBF女子世界アトム級王座を獲得し、悲願のタイトルを手に入れました。この試合では過去のライバルである黒木優子を相手に、熾烈な戦いを繰り広げました。

2019年9月には自身の初防衛戦を成功させ、2020年にはJBC審判員の岡庭健と結婚することを発表します。引退前の最後の試合では、松田恵里と対戦し、引き分けで有終の美を飾りました。引退後、彼女は小学校教員を目指して通信制大学に通うことを明かしました。

花形冴美のキャリアは、数多くの挫折と成功に満ちたものでした。プロボクサーとしての戦績は28戦16勝（7KO）、7敗、5引き分けで、その名を歴史に刻みました。また、彼女はIBF女子世界アトム級王座、防衛回数2回、長い道のりを経て得た数々のタイトルを持つ選手として、全国のボクシングファンにその存在感を示しました。

彼女は、ボクシングという果敢なスポーツの中で多くの人々に感動を与え、今も多くの選手たちの目標となる存在であり続けています。

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