花月園競輪場

花月園競輪場の概要

花月園競輪場は、神奈川県横浜市鶴見区に位置していた競輪場であり、その所在地は鶴見駅前の高台にありました。この場所は競輪ファンの間で「お山」とも呼ばれており、地域の公営競技の重要な拠点として機能していました。競輪場は1950年5月18日に開業し、当初は旧花月園遊園地の跡地に設立されました。

競輪イベントは、神奈川県競輪組合の主催で行われ、花月園観光株式会社が施設を所有し、実施は日本自転車競技会本部競技部が担当していました。実況は東京電設工業の西山栄一によって行われ、多くの競輪ファンに支持されていました。

競輪場の活動と記念行事

花月園競輪場では1989年に日本選手権競輪、1997年には共同通信社杯競輪、2001年には全日本選抜競輪、2006年にはオールスター競輪といった著名な競輪イベントが開催されました。記念競輪としては毎年11月に「菊花賞典」が行われ、特に伊藤繁杯争奪戦は、オールスター競輪優勝者を称える記念レースとして定期的に開催されていました。また、「南関ヨコハマロイヤーズカップ」も実施され、弁護士らの協賛によるイベントでした。

2004年からはA級ツイントーナメントが導入され、2005年には終了しましたが、同期間は多様なイベントが盛況に行われました。さらに、2007年からは薄暮競走が施行されることもあり、照明設備がなかったため、近隣の競輪場と連携することで、競輪を楽しむ新しいスタイルが提供されました。

バンクの特性と施設映像

競輪場のバンクは、1周400mとしっかりした規模ですが、直線部分は短めで、「走りやすい」と評価されていました。高台に位置するため、風の影響も受けやすく、そのため特異な風向きがレースに影響を与えることもありました。また、2コーナー側には大画面映像装置が設置され、レース観戦の魅力を高めていました。

キャラクターとテーマソング

花月園競輪場には、「Lucky花月くん」というカモメのマスコットが存在し、地元の人々に愛されていました。また、「花月園あすか」というバーチャルイメージガールも人気で、異なるデザインで特徴づけられていました。テーマソングは、横浜市在住のダ・カーポが歌った「花月園競輪場のテーマ」で、地域の人々に親しまれていました。

競輪場の閉場と跡地再開発

しかし、競輪場は2009年の4月から経営の厳しさが表面化し、神奈川県競輪組合が「存廃検討委員会」を設置した結果、競技場の存続は困難だという結論に至りました。そのため、2010年3月31日をもって閉場されることとなりました。閉場後、神奈川県は再開発計画を立ち上げ、跡地は防災公園街区に整備されることになりました。マンションや周辺の都市整備も含め、地域の姿が変貌するプロジェクトが進められました。

最終的には、2021年11月1日に「鶴見花月園公園」として新たに整備された公園が開園しました。競輪場の記憶を留めるモニュメントも設置され、過去の娯楽施設としての役割は新たな地域活性の場へと引き継がれました。

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