花柳壽輔 (5代目)

五代目 花柳 壽輔

五代目 花柳 壽輔（はなやぎ じゅすけ）は、日本の伝統芸能である日本舞踊の舞踊家であり、花柳流の五世宗家家元です。1992年10月3日、東京都に生まれた彼の本名は花柳創右（はなやぎ そうすけ）で、四代目花柳壽輔の妹の孫にあたります。彼の父が四代壽輔と養子縁組をしているため、祖父と孫の関係が構築されています。

経歴

花柳壽輔はわずか2歳から日本舞踊の学びを始め、14歳のときに流派の名跡である花柳芳次郎を祖父から襲名しました。これは、彼が日本舞踊界での大きな足がかりを得る重要な瞬間でした。さらには、六代目芳次郎を歌舞伎座で正式に襲名し、舞踊家の道をさらに突き進みます。

早稲田大学の人間科学部に在学中、彼は東日本大震災の復興支援活動に積極的に取り組みました。被災地での公演を通じて、復興への祈りを込めた舞踊を披露しました。また、大学主催の舞踊公演への参加や、2015年にはカザフスタンでのバレエ学校公演にも日本側代表として出席し、歓迎の踊りを見せるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

2013年には流派の歴史的な節目となる流祖・初代花柳壽輔の生誕200年祭が行われ、四代目壽輔から六代目芳次郎が後継者に指名されます。2016年6月には五代目家元継承の儀式が東京浅草で行われ、五代目花柳壽輔としての範囲が広がりました。これにより、日本舞踊界での立場はさらに強固なものとなります。

その後も、2016年9月には歌舞伎座で『元禄花見踊』の振付を祖父と共に行い、2017年には人間国宝坂東玉三郎や太鼓芸能集団鼓童との公演『幽玄』に出演しました。この公演では、振付も手がけ、翌年には新作歌舞伎として歌舞伎座で上演されることになり、映画化もされるなどの大きな成果を収めます。

2019年7月には歌舞伎座で、二世宗家家元花柳壽輔の五十回忌と三世宗家家元花柳壽輔の十三回忌を特別に開催し、花柳流の名作『土蜘』や『船弁慶』などの演目を披露しました。また、その年の第46回NHK古典芸能鑑賞会では新作歌舞伎の振付や演出も担い、新たな舞踊の可能性を切り開く役割も果たしています。

メディア出演

五代目花柳壽輔は、日本舞踊に関する多くのテレビ番組に出演してきました。特にNHKの『芸能花舞台』や『にっぽんの芸能』、『古典芸能鑑賞会』などでその技術や表現を観ることができます。また、テレビCMとしては佐川急便のCMに2010年から出演し、ラジオ番組でもTBSラジオの『GAKU-SHOCK』にゲストとして登場しました。

まとめ

日本舞踊界の伝統を受け継ぎ、独自の創造性を発揮する五代目花柳壽輔。彼の活動は、未来の舞踊家にとっての大きな指針となり、伝統芸能の保存と発展に寄与し続けています。

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