花火はすごいぞ

花火はすごいぞ：トムとジェリーの大騒動

1950年7月4日、アメリカ独立記念日に公開された『花火はすごいぞ』(Safety Second)は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督による人気アニメシリーズ『トムとジェリー』の一作品です。本作では、独立記念日の祝祭を舞台に、トム、ジェリー、そしてニブルスの三者による、花火を使ったドタバタ劇が展開されます。

物語は、独立記念日の朝、花火を大量に持ち出したニブルスが、盛大に祝おうと躍起になる場面から始まります。しかし、ジェリーはニブルスの危険な行為を制止します。独立記念日は静かに祝うべきだと諭すジェリーですが、ニブルスの遊び心は止まりません。

ジェリーは、ニブルスを誘ってささやかに独立記念日を祝おうとしますが、ニブルスは退屈そうに鳴り物程度では満足せず、こっそりと花火遊びを始めます。ジェリーは呆れながらも、事態は思わぬ方向へ転がり始めます。トムがジェリーに花火を投げつけたことから、トムとジェリー間の激しい追いかけっこが始まります。そこにニブルスが加わり、事態はさらに混迷を極めます。

ニブルスはジェリーを助けようと、自らも花火を使ってトムに反撃を開始。戦いはエスカレートし、ついにトムは大量の花火と共に空へ舞い上がってしまいます。トムを撃退したジェリーは安堵し、玩具で遊び始めますが、その玩具が突然大爆発。なんと、それはニブルスが仕掛けた花火だったのです。

ジェリーは、顔面を黒焦げにされたことで激怒し、ニブルスを睨みつけます。ニブルスは慌てて事態をごまかし、残りの独立記念日を大人しく過ごすというオチを迎えます。

各キャラクターの活躍

トム: ジェリーにいたずらしようと花火を使用しますが、ジェリーとニブルスの反撃にあい、最後はロケット花火によって空高く打ち上げられてしまいます。

ジェリー: ニブルスの危険な花火遊びを止めようとしますが、結果的にトムとの激しい攻防に巻き込まれます。ニブルスと協力してトムを撃退しますが、ニブルスのいたずらによって自身も被害を受けることになります。

ニブルス: 花火で遊びたいという衝動を抑えきれず、ジェリーを何度も困らせます。トムとの戦いでジェリーを助ける活躍を見せますが、最後に仕掛けた花火が原因でジェリーを怒らせてしまいます。

作品全体の考察

『花火はすごいぞ』は、アメリカ独立記念日を背景にした、トムとジェリー、そしてニブルスによるユーモラスな騒動劇です。危険な花火を扱いつつも、作品全体を通してコメディタッチが貫かれており、見ている者を飽きさせません。キャラクターたちの個性と、彼らの間のコミカルなやり取りが、本作の魅力となっています。

また、本作は、後続作品『ジェリーの日記』と関連しており、独立記念日の出来事として言及されている点も興味深いところです。両作品を比較することで、より深い理解が得られるでしょう。

『花火はすごいぞ』は、子供から大人まで楽しめる、まさに古典的なトムとジェリー作品と言えるでしょう。独立記念日という祝祭的な雰囲気と、花火という危険な要素を巧みに組み合わせ、視聴者に笑いと驚きを与え続ける傑作です。

スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー
作画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス、アル・グランドメン
音楽：スコット・ブラッドリー

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