花田口停留場

大阪府堺市堺区に位置する、阪堺電気軌道阪堺線の停留場です。駅番号はHN21が与えられています。堺の主要な南北幹線である大道筋の中央部に設けられており、特に大阪府道12号堺大和高田線（通称：堺大和路線）との交差点付近に立地しています。

構造

停留場は大道筋の道路中央に島状に設けられています。ホームの構造は単式ホームで、線路の片側にのみ乗降場があります。大きな特徴として、交差点を挟んでホームが進行方向に対して互い違いに配置されている「千鳥式」と呼ばれる構造を採用しています。これは、狭い道路空間や交差点付近に安全かつ効率的にホームを設置するために用いられる方式です。

具体的には、恵美須町方面行きのホームは堺区櫛屋町東1丁に、浜寺駅前方面行きのホームは堺区車之町東1丁にそれぞれ位置しています。このため、利用者は乗車したい方向によって、交差点の南北いずれかのホームに向かう必要があります。

歴史

花田口停留場は、1911年（明治44年）12月1日に開業しました。開業当初の場所は、現在地から南へ一つ筋がずれた、かつての主要道路である旧長尾街道との交差点付近でした。

「花田口」という駅名の由来は、古くからこの場所から北にある花田（現在の堺市北区北花田町や南花田町にあたる地域）へと通じる道筋が、堺の市街地において「花田口筋」と呼ばれていたことにあります。つまり、花田への入り口・出口にあたる場所、という意味合いで名付けられました。

現在の停留場が立地する堺大和路線にあたる道は、元々は堺奉行所（現在の堺市役所前に位置していた）の場所で突き当たっていました。しかし、第二次世界大戦後にこの道が貫通・拡幅されることになり、その道路整備に合わせて停留場も現在地へと移転されることになりました。

また、停留場が開業してから約11年後の1922年（大正11年）には、かつて土居川（現在は埋め立てられ、阪神高速15号堺線の一部となっている）が流れていたエリアの東側、旧長尾街道沿いが市街地として開発・整備され、「花田口町」という新しい地名が誕生しました（現在の堺区北花田口町・南花田口町）。このため、現在では単に「花田口」という言葉が使われた場合、大道筋にあるこの停留場付近よりも、後から誕生した「花田口町」周辺の地域を指すことが多いという状況になっています。

停留場の運営に関しては、開業当初から現在に至るまでにいくつかの事業者の変遷がありました。まず、開業から数年後の1915年（大正4年）6月21日には南海鉄道に合併され、同社の駅となります。太平洋戦争中の企業統合の動きの中で、1944年（昭和19年）6月1日には近畿日本鉄道の一部となりました。戦後、1947年（昭和22年）6月1日には路線の譲渡により南海電気鉄道の駅となり、そして1980年（昭和55年）12月1日からは、南海電気鉄道から阪堺線が譲渡された現在の運営会社である阪堺電気軌道の停留場として現在に至っています。

年表

1911年（明治44年）12月1日：停留場が開業しました。
1915年（大正4年）6月21日：南海鉄道との合併により、同社の停留場となります。
1944年（昭和19年）6月1日：会社合併により近畿日本鉄道の停留場となります。
1947年（昭和22年）6月1日：路線の譲渡により南海電気鉄道の停留場となります。
* 1980年（昭和55年）12月1日：路線の譲渡により阪堺電気軌道の停留場となり、現在に至ります。

停留場周辺

停留場周辺は、古くからの市街地と現代的な施設が混在するエリアです。主な周辺施設としては、歴史あるザビエル公園（戎公園）が挙げられます。また、老舗企業であるタマノイ酢の本社もこの近くに位置しています。その他にも、和菓子店として知られるむか新の堺本館や、教育機関として大阪府立泉陽高等学校、堺市立殿馬場中学校、堺市立月州中学校などが点在しており、学生の利用も多く見られます。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における隣接する停留場は以下の通りです。

恵美須町方面：妙国寺前停留場'>妙国寺前停留場（HN20） ← 花田口停留場（HN21） → 浜寺駅前方面：大小路停留場'>大小路停留場（HN22）

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