花真珠

花真珠（はなしんじゅ）

『花真珠』は、1990年4月2日から同年9月28日までの月曜日から金曜日にかけて放送された、よみうりテレビ制作の朝の連続ドラマです。宝塚映像との共同制作で生まれました。よみうりテレビでは午前8時30分から8時55分まで、日本テレビでは午前10時00分から10時25分までの時間帯に放送されました。

物語の概要

物語の舞台は、美しい港町・神戸の真珠業界。主人公の桜井紀子を中心に、真珠を巡る人間模様と複雑な愛憎劇が展開されます。真珠養殖を営む父娘が直面する困難や、ヒロインを取り巻く男性たちの間で揺れ動く感情が描かれます。

ヒロインの桜井紀子を演じるのは岩崎良美。彼女は幼い頃に母を亡くし、父である桜井耕造（織本順吉）と共に真珠の養殖を生業としています。父娘が丹精込めて育てた真珠はその品質の高さから業者間の評価が非常に高く、神戸で有数の真珠商である井村邦夫（南原宏治）とも良好な関係を築いていました。

真珠の収穫期が終わり、業界では注目の入札シーズンを迎えます。紀子は、かねてより好意を寄せていた井村邦夫の息子、井村昭彦（誠直也）が入札の責任者を務めることを知り、自分たちの真珠が彼によって競り落とされることを強く願います。

しかし、この紀子の願いは思わぬ形で妨害を受けてしまいます。紀子に一方的な恋心を抱く昇（ひかる一平）が絡んだ騒動により、入札は不調に終わってしまうのです。加えて、一家の柱である父・耕造が仕事中に突然倒れるという事態が発生。紀子は真珠養殖の継続や父の看病など、様々な困難に一人で立ち向かうことになります。

放送当時のエピソード

このドラマの物語が始まる1959年という設定は、当時の社会的な出来事と深く関連しています。この年、皇太子明仁親王（後の明仁上皇）と正田美智子様がご結婚され、特に美智子妃殿下が着用されたことがきっかけで真珠に対する関心が爆発的に高まり、一大真珠ブームが巻き起こりました。ドラマは、この歴史的な背景が真珠業界に与えた影響を描きながら展開します。

また、ドラマが放送された1990年6月には、礼宮文仁親王と川嶋紀子様のご成婚がありました。偶然にもヒロインの名前が「紀子」であったこと、そして物語の展開としてヒロインが6月に結婚する、いわゆる「ジューンブライド」となる予定であったことから、当時の社会的な慶事とドラマがリンクする形となり、話題を呼びました。

主な出演者

桜井紀子：岩崎良美
井村昭彦：誠直也
昇：ひかる一平
桜井耕造：織本順吉
井村邦夫：南原宏治
太川陽介
加茂さくら
露の五郎
馬淵晴子
鹿取洋子
正司歌江
鹿内孝
原知佐子
山田スミ子
西園寺章雄
南条好輝
須永克彦
宮田圭子
楠年明
溝田繁
ほか

主なスタッフ

脚本：石森史郎、上條逸雄、林千代、大前玲子
演出：小泉勲、中津川勲、高野昭二、藤井裕也、浅沼順、吉田憲二

主題歌

「明日への贈り物」
歌唱：ハイ・ファイ・セット

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