花蓮地震 (2018年)

花蓮地震（2018年）の詳細

2018年2月6日23時50分（台湾標準時）、台湾東部の花蓮県近海を震源とする大規模な地震が発生しました。この地震は、花蓮地震（ホゥアリェンじしん）と呼ばれ、台湾に大きな被害をもたらしました。

地震の規模

地震の規模は、各機関によって若干の差異があります。
Mw 6.4 (USGS)
Ml 6.2 (CWB)
Ms 6.5 (CENC)
Mj 6.7 (JMA)

花蓮県花蓮市、太魯閣、宜蘭県南澳郷で最大震度7級（中央気象局震度階級）を記録し、その揺れの強さが伺えます。

各地の震度

台湾各地の震度は以下の通りです（中央気象局震度階級）。

日本でも沖縄県で震度1から2の揺れが観測されました。

前震の発生

本震に先立ち、2018年2月4日3時30分にMw4.8の地震が発生。その後も同じ地域で地震が頻発し、2月4日21時56分にはMw6.1の地震が発生していました。これらの前震が、地盤を不安定にしていた可能性も指摘されています。

被害状況

この地震により、17名もの方が亡くなりました。花蓮市内では、7階建てのマーシャルホテル（統帥大飯店）や、12階建ての雲門翠堤ビルを含む41棟の建物が倒壊する甚大な被害が発生しました。ライフラインも寸断され、1,336戸が停電、100戸が断水に見舞われました。被害が集中した地域は、米崙断層沿いに位置しています。

交通機関への影響

鉄道

台湾鉄路管理局は、花蓮県内の東部幹線で徐行運転を実施しましたが、ほぼ平常通り運行しました。しかし、貨物線の花蓮臨港線では軌道の破断が発生し、復旧までに時間を要しました。

道路

各地で路面の隆起などが発生し、通行規制が実施されました。

台11線 - 花蓮大橋：路面に亀裂と隆起が発生し、片側対面通行となりました。
県道193号 - 七星潭大橋：橋脚に亀裂が生じ、通行止めとなりました。
郷道花19線 - 尚志橋：通行止め。後に小型車の通行規制を解除。
三号橋：小型車両の通行規制を解除。

国際的な支援

地震発生後、世界各国から台湾へ支援が寄せられました。

中華民国外交部は、63カ国と欧州連合などから慰問が寄せられたことへの謝意を表明しました。
日本政府は、安倍晋三首相（当時）が手書きの応援メッセージを寄せ、国際緊急援助隊専門家チームを派遣しました。世論調査では、台湾が最も思いを寄せた国として日本が挙げられました。
中国政府は救援を申し出ましたが、台湾政府は高度な機材がある日本以外の救援は受け入れない姿勢を示しました。
シンガポール軍は、C-130輸送機を派遣し、医薬品やテントなどの緊急物資を輸送しました。これは、外国の軍用機が台湾に入る異例の事態でした。

その後

花蓮地震は、台湾に大きな爪痕を残しましたが、国内外からの支援や復旧作業により、徐々に復興が進められました。この地震の経験は、今後の防災対策や建築基準の見直しに活かされています。

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