芸能わらいえて目で見る百年史

毎日放送（MBS）が企画・制作したトークバラエティ番組、『芸能わらいえて目で見る百年史』は、日本の大衆芸能が明治時代から約100年間でどのように変化してきたかを、当時の社会の様子とともにユーモアや笑いを交えながら紹介した番組です。明治維新から数えて百年目にあたる1967年という時代背景を踏まえて企画されました。

放送の経緯

この番組は、まず1967年 7月4日から同年9月26日までの期間、主にNET（現在のテレビ朝日）系列の各局で放送されました。その後、同年10月6日からは放送局を東京12チャンネル（現在のテレビ東京）に移して放送が続けられ、1968年 3月29日に最終回を迎えました。制作局である毎日放送では、関東でのネット局が変更された後も、以前と同じ時間帯での放送が継続されました。

放送回数は、NET系列での放送時には全13回、東京12チャンネルでの放送期間中には全26回でした。

番組の特色と内容

番組の主なテーマは、1868年（明治元年）から1967年（昭和42年）にかけての大衆芸能の歴史を振り返ることでした。単なる年表的な解説にとどまらず、それぞれの時代の社会情勢や人々の暮らしぶりを、ユーモアを織り交ぜながら紹介し、視聴者が楽しみながら学べる内容となっていました。「目で見る」という副題の通り、当時の映像や資料などを活用して、視覚的にも分かりやすく構成されていました。かつて同系列で放送されていた『なんでも百年史』と同様に、あるテーマの「百年史」を扱う形式でしたが、本番組は特に「芸能」という分野に特化していた点が異なります。なお、番組が始まった最初の2回分、1967年 7月4日と7月11日の放送は、『わらいえて芸能百年史』という少し異なるタイトルで放送されました。

放送時間

番組は以下の時間帯で放送されました（時間は日本標準時 JST）。

毎日放送およびNET系列ネット局: 毎週火曜日 22時30分 - 23時00分
東京12チャンネル: 毎週金曜日 22時00分 - 22時30分

放送スケジュールの変動

東京でのネット局が東京12チャンネルに移行したことに伴い、毎日放送と東京12チャンネルの間で放送日にずれが生じました。当初は東京12チャンネルが毎日放送より3日遅れて放送していましたが、1967年10月31日に毎日放送が吉田茂元首相の国葬に関連する特別番組を編成し、当番組を休止したため、翌週以降は東京12チャンネルでの放送が毎日放送より4日先行する状態となりました。しかし、第25回にあたる毎日放送の12月23日放送分が、本来のレギュラー枠ではない土曜日に編成されたのに対し、東京12チャンネルではその前日である12月22日に放送されたため、これにより再び毎日放送より3日遅れの放送に戻り、最終回までこのずれが続きました。

出演者

番組の司会は、多方面で活躍した永六輔氏と、人気漫才コンビの若井はんじ・けんじが担当しました。

レギュラー出演者には、お笑いトリオとして活躍した漫画トリオが名を連ねています。

番組には様々な分野からゲストが登場し、それぞれの視点から大衆芸能について語りました。主なゲストとしては、以下のような方々が出演しました（敬称略、一部抜粋）。

楠トシエ
大森金太郎
松鶴家千代若・千代菊
花菱アチャコ
柳永二郎
ほか

その他の事項

関東地区で当番組のネット局が東京12チャンネルへ移ったことは、当時のNETテレビの編成にも影響を与えました。これにより、NETテレビの火曜日22時台の放送枠は1時間番組として統一され、番組制作の主導権がNETテレビ自身に移りました。同時に、NET系列全体では、火曜日の21時台と22時台の番組枠が、約半年間、各局の裁量に任されるローカルセールス枠となりました。

また、東京12チャンネルでの放送期間中にあたる1967年11月3日には、同時刻に特別番組『ビリー・グラハム国際大会』が編成されたため、本番組は通常の22時00分からではなく、23時00分からの放送に変更されました。

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