芸術文化観光専門職大学

芸術文化観光専門職大学の概要

芸術文化観光専門職大学は、2021年4月に兵庫県豊岡市に設立された公立の専門職大学です。設立するにあたり、当初は「国際観光芸術専門職大学」を名乗る予定でした。しかし、国際性が当然のことであることや、学問分野である「芸術文化」と「観光」を名称に含めることが学習内容を明確に伝えるという観点から、現在の校名が選ばれました。この大学は、専門職大学として、伝統的な学士号は取得できませんが、卒業生には「芸術文化学士（専門職）」または「観光学士（専門職）」の専門職学位が授与されます。

教育と研究の特徴

この大学は芸術文化・観光学部のみを設置しており、演劇をはじめとする幅広い芸術や文化の学びを通じて、地域での活躍を目指す人材の育成に努めています。キャンパスには、220人収容の劇場や専用のダンススタジオなど、舞台芸術を専門的に学べる施設が整備されており、ここで学んだ学生たちは実務に即したスキルを身に付けます。

特筆すべきは、演劇を本格的に学ぶことができる公立の高等教育機関として唯一の存在である点です。また、観光と演劇の双方を同時に学べる国公立の機関としても、日本で初めての試みとなっています。2022年5月の時点では、学部学生数は166人、専任教員数は39人です。

大学の沿革

大学の設立には長い経緯があります。2016年には但馬地域の市町が専門職大学の設置要望を提起し、その後、準備室が設置され、基本構想が確立されました。2019年には、設立認可のための申請が文部科学大臣にあったり、建設工事の起工式が行われたりしました。

2020年には設置の認可が下り、2021年4月に無事開校を迎えました。その後、同年7月には開学記念式典が催され、多くの関係者に祝福されました。

キャンパスと学校生活

キャンパスは、兵庫県豊岡市山王町にあり、JR山陰本線豊岡駅から徒歩約7分の好立地です。周辺には商業施設や文化機関、公共機関が集中しており、学生生活を豊かにする環境が整っています。また、入学料は兵庫県内で282,000円、県外で423,000円、授業料は年額535,800円となっており、1年次は全寮制です。

全ての学生はシェアハウス形式の個室に住むことができ、交流スペースが設けられているため、国際色豊かな学生同士が活発に交流し、社会性やコミュニケーション能力を高めることを目指しています。

初年度の入学試験では定員80名に対して621名が志願し、合格者91名のうち女性が75名、男性が16名という結果でした。これにより、全体の志願倍率は7.8倍という高い数字を記録しました。出身校は兵庫県内が18名、県外が73名ということも特徴的です。

結論

この専門職大学は、文化と観光というキーワードを基に、地域社会に寄与する人材を育てることに注力しています。学生たちは、演劇を中心とした多様な芸術活動に参加しながら、専門的な知識とスキルを磨き、将来的なキャリアの道を切り開いていくことでしょう。

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