苅田港

苅田港（かんだこう）

苅田港は福岡県京都郡苅田町に位置する重要な港湾で、防災拠点にも指定されています。この港は、周辺に広がる工業地帯の中核を形成しており、歴史的には筑豊炭田からの石炭や石灰石を積み出す目的で昭和前期に設立されました。現在、筑豊炭田が閉山したものの、港周辺には多くの大規模工場が存在し、地域の経済に大きく寄与しています。

港の歴史と役割

苅田港が設立された当初は、筑豊炭田から輸送される石炭を扱うための施設が中心でした。戦後もその利便性を活かし、日産自動車九州、トヨタ自動車九州苅田工場、日立金属九州工場、宇部興産苅田工場などが次々と進出し、現在では北九州工業地帯の重要な一画として発展しています。これにより、港は工業生産品の輸出拠点としての役割を担うようになりました。

主な施設

苅田港にはいくつかの地区が存在し、それぞれ異なる機能を持っています。

新松山地区

この地区にはエネルギー関連の施設が集中しています。現在、国際物流ターミナル事業が進行中であり、令和10年度には事業が完了する見込みです。ここには、10m岸壁（13m化に向けて工事中）と5.5m岸壁が設置されています。

松山地区

松山地区はトヨタ自動車九州や三菱セメントの工場が立地しており、工業生産の重要な拠点となっています。ここには10m池の岸壁があります。

本港地区

本港地区には九州電力苅田発電所、麻生セメント、三菱セメントの工場が点在し、多数の岸壁が利用されています。具体的には、13m岸壁、10m岸壁、7.5m岸壁、6.5m岸壁、5.5m岸壁、4.5m岸壁が設置されています。

南港地区

南港地区には日産自動車の工場が所在します。この地区には10m、7.5m（RORO船が就航）、5.5mの岸壁があります。

定期航路

苅田港は商船三井フェリーによる定期航路が設定されており、東京方面へのアクセスが可能です。週4便の運航が行われており、下り便は直行便ですが、上り便は水曜日と金曜日が直行、月曜日は宇野寄港、土曜日は宇野・坂出寄港となっています。

関連項目

苅田港は福岡県の港湾一覧や北九州港、苅田港駅などに関連する事業の中心でもあり、地域の物流や防災の拠点として重要な役割を果たしています。また、苅田沖土砂処分場や北九州空港も近くに位置しており、さらなる発展が期待されています。

脚注

さらなる情報は国土交通省苅田港湾事務所の公式ウェブサイトで確認することができます。

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