苗名滝

苗名滝（なえなたき）

苗名滝は、新潟県妙高市と長野県との県境を流れる関川の上流に位置する、落差55mを誇る滝です。その景観の美しさから、「日本の滝百選」にも選ばれています。別名として、苗江滝、南井滝、地震滝とも呼ばれています。

概要

苗名滝は、黒姫山の火山活動によって流れ出た安山岩溶岩が関川を堰き止めたことで形成されました。滝の落ち口には岩があり、かつては滝が左右に分かれて流れ落ちていましたが、1813年に高田藩が伐採した木材を流した際に岩が欠損し、現在の姿になったとされています。

滝の轟音は、まるで地震（なゐ）のようであることから、「ないの滝」が転じて「なえな滝」と呼ばれるようになり、漢字で「苗名滝」と表記されるようになったという説があります。また、下流の高田平野の水田を潤すことから、「苗名」と名付けられたという説もあります。

この滝は、妙高山の雪形と並び、地元の人々にとって田植えを始める時期を知るための目安とされてきました。19世紀には、文人画家である東洋越陳人によって多くの作品が描かれ、芸術の対象としても親しまれてきました。

1995年7月には、梅雨の影響で地震滝橋などが流出する被害が発生しました。その対策として、苗名滝の下流に関川1号砂防えん堤が建設されています。

アクセス

公共交通機関

ETR妙高はねうまライン 妙高高原駅 から西へ約8km
妙高高原駅より妙高市営バス（ぶらっと妙高山麓周遊バス）を利用。
ただし、妙高高原温泉郷内で乗り換えが必要になります。
北陸新幹線 上越妙高駅からは、季節限定で頸南バス「妙高高原ライナー」が運行されています。

車

上信越自動車道 妙高高原ICから、新潟県道39号妙高高原公園線を笹ヶ峰方面へ4km進み、苗名滝入口で左折し、さらに2km進むと駐車場に到着します。

補足情報

苗名滝は、4連の滝が連なっていることで知られていますが、二の滝、三の滝、四の滝へのルートは通行が困難です。滝の周辺には遊歩道が整備されており、自然を満喫しながら散策を楽しめます。また、四季折々の美しい景色を眺めることができるため、多くの観光客が訪れます。

参考文献

日本歴史地名大系（オンライン版） 小学館
北中康文『日本の滝1 東日本661滝』山と渓谷社

関連項目

妙高戸隠連山国立公園
地震滝橋

外部リンク

にいがた観光ナビ: 苗名滝 - 新潟県観光協会
* さわやか信州旅.net: 苗名滝（地震滝） - 長野県観光機構

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