苗賁皇

苗賁皇について

苗賁皇（びょう ほんこう）は、中国春秋時代の晋において重要な役割を果たした政治家である。彼の姓は羋、氏は鬬であり、その後、父の封地名にちなみ苗と名乗るようになった。苗賁皇は楚の公族である鬬椒の子として生まれ、彼の運命は父が楚の荘王に討伐されたことで大きく変わる。父を失った彼は晋に亡命し、晋の景公に仕官する道を選ぶ。彼は景公から苗の地を賜り、苗氏としての新たな生活を築くこととなった。

政治的な活動と戦務

苗賁皇は晋の景公の下で、政治と軍事の両面で活躍する。特に彼の正義感と戦略眼は、数々の局面で光を放った。ある日、次卿である郤克が斉における会盟参加の依頼の使者として派遣されたが、郤克は斉の公の母に侮辱された。その結果、彼は怒り、従者である欒京廬に斉君を会盟に招き入れるように指示した。その後、郤克は景公に斉を討伐するよう願い出るが、景公は此の計画を許可しなかった。

その後、郤克の怒りは広まり、斉の頃公はその不安を抱えて高固を派遣して会盟の場に赴かせる。しかし、高固は途中で郤克の手勢が自分を襲おうとしていることに気づく。彼は恐れて斉に逃げ帰ったが、その行動に失望した彼の配下の三人の大夫、晏弱、蔡朝、南郭偃は決死の覚悟で断道へ向かう。

三人は無事に断道に辿り着くが、郤克に妨げられ、逆に捕らえられてしまう。これを知った苗賁皇は、彼らを解放することが最良の策であると景公に進言し、結果的に三人は無事に帰還することができた。

戦の智恵と予言

また、鞍の戦いでは、晋が斉に対して見事な勝利を収める。その際、郤克の無礼な行動を目の当たりにした苗賁皇は彼を批判し、「郤子は勇敢であるが、礼を知らず、その功を誇って国君を辱めた。彼の一族はどれほど長く続くのか。」と発言し、郤氏の滅亡を予言した。

さらに、厲公6年（紀元前575年）の鄢陵の戦いにおいては、晋の軍師として、楚から亡命した伯州犂という軍師と戦い、見事に勝利へと導く。このように苗賁皇は、政治家としてだけでなく、軍の指導者としても優れた能力を発揮し、晋の歴史に名を残すこととなった。

結論

苗賁皇は、中国春秋時代において政治的、軍事的な影響力を有し、多くの貢献をした人物である。彼の生涯は、独立心と正義感を持って多くの戦局を展開したことが後世に語り継がれている。

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