若宮八幡宮 (岡崎市)

若宮八幡宮（わかみやはちまんぐう）

若宮八幡宮は、愛知県岡崎市朝日町に位置する神社です。この神社は、徳川家康の嫡男である松平信康公の悲劇的な死と深く関わっています。

歴史

天正7年（1579年）9月15日、岡崎城主であった松平信康公は、織田信長から武田勝頼内通の疑いをかけられ、二俣城で自刃しました。信康公の母である築山殿も、同年8月29日に野中重政らによって殺害されています。信康公の首は、信長の実検後岡崎に戻され、清水万五郎が徳川家康の命により、投村根石原（現在の朝日町）に埋葬し、その場所に印として松を植えたと伝えられています。

信康公の死後、岡崎城内では怪異現象が頻発したとされ、岡崎城代となった石川数正は、天正8年（1580年）5月に供養塔である首塚を建立しました。信康公は若宮八幡宮として祀られ、母の築山御前は神明宮として祀られました。これにより、城内の怪異は鎮まったとされています。

明治維新後には、観音堂が分離され、岡崎投町（現在の岡崎市朝日町）に移されました。若宮八幡宮の本殿横には、信康公の首塚が現存しています。この首塚は、信康公の霊を慰め、その死を偲ぶ場所として、今日まで大切にされています。

1945年（昭和20年）7月20日の岡崎空襲では、土蔵を残して社殿が全焼しました。現在の社殿は再建されたものですが、旧観は失われています。しかし、若宮八幡宮は、信康公の霊を祀る神社として、地域の人々にとって重要な存在であり続けています。

境内

境内には、信康公の首塚のほか、いくつかの石碑や祠があります。静かで落ち着いた雰囲気であり、歴史を感じさせる空間となっています。

所在地

愛知県岡崎市朝日町に位置し、公共交通機関でのアクセスも可能です。近隣には、岡崎城などの観光スポットもあります。

参考文献

『新編 岡崎市史 総集編 20』新編岡崎市史編さん委員会、1993年3月15日、419頁
『岡崎 史跡と文化財めぐり』岡崎市役所、2003年1月1日

関連事項

* 若宮八幡宮 (曖昧さ回避)

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