若宮八幡宮 (常陸太田市)

若宮八幡宮

若宮八幡宮（わかみや はちまんぐう）は、茨城県常陸太田市にある歴史深い神社で、旧社格は郷社に指定されています。この神社は、応永年間（1400年頃）に佐竹義仁によって、鎌倉市の鶴岡八幡宮から勧請され、太田城内に祀られました。義仁はこの神社を自身の守護神とし、以降、佐竹氏の信仰の場となりました。

歴史のあゆみ

佐竹氏は元々常陸源氏の守護神として石清水八幡宮を起源とする八幡社を設立していましたが、義仁は藤原氏系の上杉氏からの養子となったことから、上杉氏の関係を考慮し、鶴岡八幡宮から神を迎えたと考えられています。関ヶ原の戦い後、佐竹氏は秋田へと転封され、その際に神霊を大館城にも持ち込み、現在の大館八幡神社に祀りました。

神社の崇拝は水戸藩初代藩主の徳川頼房が7歳のときに病気平癒を祈願したことから深まり、元禄5年（1692年）には二代藩主の徳川光圀が太田郷の鎮守として崇めました。1708年には太田稲荷神社と共に社殿を現地に移しました。

昭和15年（1940年）には、「鶴子舞」と呼ばれる祭が氏子の巫女たちによって奉納され、近年では再びその舞が注目され、例大祭などで「浦安の舞」や「豊栄の舞」、「八乙女の舞」といった伝統的な舞が醸し出す厳かな雰囲気とともに披露されています。

祭神と祭事

若宮八幡宮の祭神には大鷦鷯尊（仁徳天皇）や倉稲魂命が祀られています。この神社では一年を通じて様々な祭事が行われています。具体的には、1月の元旦祭、2月の節分追儺祭、5月の例大祭、6月の夏越大祓、9月の秋季例祭、12月の大祓となっています。

文化財と境内社

境内には、茨城県指定の天然記念物である大ケヤキや、歴史的価値のある絹本着色僧形八幡画像、また伝説的な物品である軍扇（伝新羅三郎義光所用）などがあります。また、境内社も多く存在し、北野天神社（梅天神）、市比売神社、足尾神社などが祀られています。特に、源義家が1062年に勝利を祈願した北野天神社はその由緒からも興味深いスポットです。

アクセスと周辺情報

若宮八幡宮へのアクセスは、JR常陸太田駅から北へ約1.5キロ、西の道を徒歩でおおよそ20分ほどかかります。周囲には自然豊かな環境が広がり、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。神社の由来や祭事に触れることで、日本の伝統文化や信仰を感じる特別なひとときを過ごせるでしょう。

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