若松町 (新宿区)

若松町：新宿区の中心部に位置する歴史と現代が交差する街

新宿区に位置する若松町は、住居表示が実施済みで「丁目」のない単独町名です。新宿区の中央部に位置し、北は喜久井町と戸山、東は原町、南は河田町と余丁町、西は新宿七丁目と隣接しています。町域内には、抜弁天通りや大久保通り、夏目坂通りといった道路が走り、交通の便も良好です。

歴史と変遷

若松町の歴史は古く、江戸時代には江戸町奉行所の支配下に置かれ、牛込若松町として成立しました。当時から商家のほか、武家屋敷なども存在していました。明治維新後には、武家地などの併合を経て、1876年には三十人町、原町、市谷河田町の各一部を編入し、現在の町域が確定しました。かつては「大銀杏」、「戸山前」、「川向」といった小字も存在していました。1911年には「牛込」の冠称が外され、現在の若松町となりました。

戦後には、都電が通っていたこともあり、ゴルフ場やパチンコ店などが開業し、周辺住民にとって便利な地域でした。しかし、都電廃止後は最寄りの駅が東西線の早稲田駅となり、不便さが増しました。その後、大江戸線の開通により、新たな商業施設も進出しましたが、上野や新宿へのアクセス向上がかえって集客に悪影響を及ぼし、一部の商業施設は閉店しました。

地名は、かつて当地で育てられた若松が、江戸城に正月用の門松として献上されていたことに由来すると言われています。1868年には江戸が東京へ改称され東京府の管轄となり、1878年には東京府牛込区に編入、1947年には新宿区に編入されました。1982年には住居表示が実施され、原町三丁目の一部が編入されています。

交通と施設

若松町は、交通の便が良い地域です。都営地下鉄大江戸線の若松河田駅が町内に位置し、東京メトロ東西線の早稲田駅も利用可能です。大久保通りや抜弁天通り沿いにはバス路線も整備されており、公共交通機関を利用しての移動が容易です。

町内には、警視庁第八機動隊、総務省第二庁舎（統計局など）、東京女子医科大学河田町キャンパスの一部、東京女子医科大学病院の一部、東京韓国学校、新宿区立余丁町小学校、公益財団法人合気会合気道本部道場、東京都赤十字血液センター（新宿）など、様々な施設が立地しています。また、産業遺産情報センター（世界遺産「明治日本の産業革命遺産」ガイダンス施設）も総務省第二庁舎敷地内にありますが、新型コロナウイルス感染症の流行のため、休館している場合があります。

かつては、戸山脳病院（1904～1929年）、政策研究大学院大学（2005年に港区六本木に移転）、嶋田青峰邸、陸軍砲工学校なども存在していました。

人口と経済

2023年1月1日現在の東京都発表によると、若松町の世帯数は3,478世帯、人口は5,831人です。2021年の経済センサス調査では、事業所数は208事業所、従業員数は4,427人となっています。

学区

2018年8月時点の学区情報によると、若松町は新宿区立の小学校と中学校に通学することになります。（具体的な学校名は割愛）

まとめ

若松町は、歴史と現代が共存する、新宿区の中心部に位置する魅力的な町です。良好な交通アクセスと、様々な施設の立地が特徴で、静かで住みやすい住宅地として、多くの人々が暮らしています。今後も、その歴史と発展を続けることが期待されます。

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