若柴宿

若柴宿について

若柴宿（わかしばしゅく）は、水戸街道における千住宿から数えて七番目の宿場町です。現在の茨城県龍ケ崎市若柴町周辺に位置し、水戸街道が小貝川や牛久沼といった低湿地を横断し、台地へと差し掛かる場所にありました。宿場町は、両端がクランク状に屈曲した直線部分に沿って形成され、江戸側（南東側）と水戸側（北西側）の約500メートルの範囲に広がっていました。

宿場の構造としては、南東側の屈曲部には八坂神社が、北西側の屈曲部には金竜寺がそれぞれ位置しており、宿場町のランドマークとなっていました。藤代宿や牛久宿と地理的に近接していたため、若柴宿には本陣は設置されませんでした。

歴史と現状

明治時代以降の火災により、江戸時代の建築物の多くは失われてしまいましたが、明治時代に建てられた古建築が比較的多く残っています。これらの建物は、当時の宿場町の面影を今に伝えています。

周辺の施設

八坂神社：この神社は、八坂神社系列の神社で、宿場の南東側に位置しています。地域住民の信仰を集めており、宿場町を語る上で欠かせない存在です。

金竜寺：宿場の北西側にある寺院で、1321年に新田義貞によって群馬県に創建されたと伝えられています。現在の場所に移転したのは1590年とされています。長い歴史を持つ寺院として、地域の人々に親しまれています。

星宮神社：宿場の北方に位置する神社で、創建時期については880年説と924年説の二つの説があります。本殿は江戸時代の建築で、歴史的な価値があります。この神社の神の使いが鰻であるとされていたため、若柴宿では鰻を食用とする習慣がなかったと伝えられています。

隣接する宿場町

若柴宿は、水戸街道において、藤代宿と牛久宿に挟まれた位置にありました。それぞれの宿場町との距離は以下の通りです。

藤代宿 - 若柴宿：一里（約4キロ）
若柴宿 - 牛久宿：一里（約4キロ）

江戸時代初期の水戸街道の古道は、我孫子宿を出た後、布佐や竜ヶ崎を経由し、藤代〜若柴間で、のちの水戸街道と合流していました。若柴宿と牛久宿の間には、成井の一里塚が現在も残されており、当時の街道の様子を偲ぶことができます。

若柴宿は、水戸街道における重要な宿場町の一つとして、人々の往来を支え、地域の文化や歴史を育んできました。現在でも、その名残を様々な場所に見ることができます。

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