藤代宿

藤代宿（ふじしろしゅく）

藤代宿は、茨城県取手市藤代・片町付近に位置する水戸街道の重要な宿場町です。この宿場町は、天和年間から貞享年間（1681年〜1688年）の間に正式に指定されました。それ以前は、我孫子宿から利根川沿いに下流に向かい、布佐で渡河した後、龍ヶ崎を通り、若柴宿付近で合流する道が利用されていました。そのため、藤代宿が正式な宿場町として扱われるようになったのは、水戸街道の他の宿場町よりも少し遅れたことが分かります。

藤代宿は、宿場町としてひとくくりにされることが多いですが、実際には江戸側（藤代庁舎側）と水戸側（藤代駅側）の宮和田宿に分割されていました。宿場町としての機能は、両側で持ち回りで行われており、藤代宿の本陣は、現在の藤代中央公民館が所在した地域にありました。名主は代々飯田家が担当しました。この本陣は、戦争中も壊滅的な被害を受けることなく存続していましたが、1950年2月に町村の合併に伴い庁舎を建設するために取り壊されました。その後、本陣があったことを示す看板が設置され、その横には百日紅の木が残されています。

宮和田宿にも本陣がありましたが、詳細な記録は残されていないため、具体的な情報は不明です。

周辺のスポット

藤代宿周辺には、歴史的な店舗や神社が点在しています。例えば、坂本呉服店は、著名な作家である住井すゑが牛久から通っていたという古い呉服店です。また、愛宕神社や八坂神社、熊野神社といった神社も周囲に位置しており、この一帯にはかつて渡船場が存在していました。

取手宿から藤代宿までの距離は一里三十町（約7キロ）、藤代宿から若柴宿までは一里（約4キロ）です。この間には小貝川や牛久沼の低湿地が広がっています。現在、この区間には常磐線の龍ケ崎市駅が設けられ、周辺は市街地として発展しています。また、龍ヶ崎を経由し成田に向かう街道筋の追分が存在しており、このルートは江戸時代初期の水戸街道古道でもありました。

藤代宿はその歴史的な背景と現在の役割を併せ持つ、魅力的な地域であり、訪れる価値があります。観光や歴史探求の場として、多くの人々に親しまれています。

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