若江線

若江線（じゃっこうせん）について

若江線は、滋賀県高島市の近江今津駅と福井県三方上中郡若狭町の上中駅を結ぶことを目的とした、旧国鉄の鉄道路線計画です。現在このラインは実現していないものの、計画に先立発足した国鉄バス路線が近江今津から小浜まで運行されています。バス路線は、鉄道実現への短絡的役割を担う存在としてスタートしました。

計画の背景

この鉄道路線は、1922年に改正鉄道敷設法により「京都府山科から滋賀県浜大津、高城を経由して三宅に至る鉄道」として規定され、江若鉄道の未成区間を引き継ぐ形で構想されました。しかし、1970年代に国鉄の経営が悪化し、国鉄分割民営化が進むと、鉄道敷設法は廃止され、このプロジェクトは法的根拠を失ってしまいました。その後、滋賀県と福井県では琵琶湖若狭湾快速鉄道の構想が持ち上がり、小浜市などでは誘致運動が行われましたが、2017年の北陸新幹線ルートの決定により、建設計画は中止されました。

若江線は、福井県南部と京都、大阪を最速で結ぶ交通手段として期待されていましたが、最も短い経路が実現できなかった点が利用者にとっての課題となっていました。

バス路線の運行状況

現在の若江線においては、西日本ジェイアールバスが主要な運行を担当しています。また、かつては江若交通との共同運行も行われていて、滋賀県側は安曇川駅、福井県側は若狭フィッシャーマンズワーフまで運行されていました。現在のバス路線は近江今津駅から始まり、いくつかの停留所を経由して最終的に小浜へと至ります。

小浜市へのアクセス

若江線によるアクセスは、小浜市への経路での優位性を持っています。一般的に、敦賀や東舞鶴からJR小浜線を経由するルートは時間がかかりがちですが、近江今津駅から若江線への接続により、京都・大阪方面への移動が効率的になります。そのため、近江今津駅では小浜行きの切符も購入可能です。実際、京都から小浜まで約2時間、大阪からは約2時間半で到達できるという点で、公共交通機関利用者にとって魅力的な選択肢となっています。

2008年3月15日に実施されたダイヤ改正での便数削減にもかかわらず、依然として多くの便が運行されており、特にJR新快速による接続を重視したダイヤ設定がされています。

歴史における経緯

若江線の概念は1904年に遡り、当初は「鯖街道」を結ぶ鉄道路線計画に基づいていました。江若鉄道が1921年に部分開業を果たし、以降様々な拡張が見られた後、国鉄湖西線の建設に関わる土地が売却された結果、営業を廃止されました。1987年に鉄道計画は法的根拠を失うことになり、以降のバス路線に沿った運行体系が整備されていくこととなります。

バス路線の現状については、少しずつ細かな変更が行われ、2015年にはICカード乗車システムが導入されるなど、利便性が高まっています。さらに、2016年には経路変更が行われ、効率的な運行体系が模索されています。

結論

若江線の計画は多くの期待を抱え、地域における交通発展を支えるものとして注目されていましたが、約百年にわたる経緯の中で、実現には至っていません。しかし、バス路線としての機能は続いており、地域の交通手段として重要な役割を果たし続けています。今後の発展が望まれる一方で、過去の歴史を踏まえた柔軟な対応が地域交通に求められるでしょう。

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