鯖街道

鯖街道について

鯖街道（さばかいどう）は、福井県の嶺南地方、小浜藩領内から京都をつなぐ街道で、魚介類の運搬、特に鯖の輸送に使用されたルートです。この街道の名称は、特に鯖が多く運ばれたことに由来しています。ここでは、鯖街道の概要や特徴、現在の地域活性化に向けた取り組みについて詳しく見ていきます。

鯖街道の概要

狭義には、福井県小浜市から始まり、三方上中郡若狭町を経由し、京都市左京区の出町商店街に至る区間を「若狭街道」と呼びます。これは、現代の国道27号や国道367号に相当しますが、時代とともに道の状況が変わっていることに留意が必要です。広義には、嶺南と京都をつなぐすべての街道がこの名前で呼ばれています。

鯖街道は、鉄道や自動車が普及する前、若狭湾でとれた新鮮な鯖が行商人によって徒歩で運ばれていました。冷凍技術がなかったため、生サバは塩でしめられ、陸送されることになり、京都到着時には丁度良い塩加減となっていたと言われています。この方式のおかげで、鯖は京都の人々に重宝され、現トレンドの中でも小浜や国道367号沿いには鯖寿司の生産店が数多く残っています。

2015年には、「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群」として文化庁によって日本遺産に認定され、その重要性が再評価されました。

地域活性化への取り組み

鯖街道は、地域活性化のための取り組みの一環として、2005年には「鯖街道交流促進会議」が設立され、その後2012年には「鯖街道まちづくり連携協議会」としてさらに発展しました。この協議会では、観光や地域農産物の販売促進に焦点を当てた広域的な活動が行われています。小浜市のいずみ商店街には「さば街道起点」と刻まれたプレートが設置され、2020年には「小浜市鯖街道ミュージアム」がオープンしました。

また、出町柳附近にある出町商店街では、「鯖街道情報発信事業」として地域活性化の取り組みが行われています。さらに、小浜市から京都市までの歴史的ルートを通る「鯖街道ウルトラマラソン大会」が毎年開催され、観光や地域の魅力を高めるイベントとなっています。

鯖街道の経路

鯖街道の経路にはいくつかのルートがあり、それぞれの道が多様な景観を持っています。

• - 琵琶湖経由のルート: この経路は小浜から今津を経て水運を用いて京都へ向かうルートです。
• - 西近江路: 今津から西岸を進むルート。
• - 若狭街道: 前述の広義の鯖街道ルートの代表として広く知られています。
• - 鞍馬街道: 小浜から針畑を越えて京都へ向かう最短ルート。

このように、鯖街道は単なる交通路ではなく、地域文化や経済にも深く根ざした重要な道です。今後の地域復興や観光振興にも大きな役割を果たすことが期待されています。

現状と未来の展望

近年、日本ではノルウェーからのサバ輸入が増え、「現代の鯖街道」として注目されています。しかし、福井県内での鯖水揚げ量は1974年の12,697トンから2012年には170トンへと大幅に減少しています。これを受けて、小浜市では鯖の消費拡大を目指した「鯖復活プロジェクト」を進めており、地域の活性化に向けた挑戦が続いています。

鯖街道は歴史あるルートとして地域に息づき、今後もさらなる発展が望まれる場所です。

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