若王子耳夫

若王子 耳夫の音楽経歴

若王子耳夫（わかぷりんす みみお）は、日本の音楽界で独自の道を歩んできた音楽家であり、静岡県静岡市の出身です。彼は1989年から1990年にかけて、影響力のある音楽グループである電気グルーヴのメンバーとして活動し、ギターとストリングスの役割を担っていました。

音楽キャリアの出発点

音楽のキャリアは、石野卓球の高校時代から始まります。1985年、静岡のサーカスタウンで行われたライヴに、電気グルーヴの前身バンドである「人生（ZIN-SÄY!）」に参加しましたが、彼の初演は短命に終わりました。バンドのスタイルやギャグのレベルが合わなかったことが理由で、一度のパフォーマンスで解雇されたのです。しかし、1986年には再加入を果たし、名実ともにバンドの一員として活動を再開しました。

その後、若王子は東京国際大学へ進学し、音楽活動の拠点を東京に移します。大学では、劇団健康（現・劇団ナイロン100℃）で活躍していた三宅弘城や、筋肉少女帯の大槻モヨコ（現・大槻ケンヂ）と出会い、特に大槻とはユニット「まんが道」を組んでいました。このユニットでの経験が、彼の音楽スタイルにも影響を与えたことでしょう。

バンド「人生」からの影響

若王子が在籍していた「人生」は、彼の音楽スタイルを形成する重要な要素でした。ハイテンションなボーカルスタイルや奇声を発するパフォーマンスが人気を集め、持ち歌「耳夫サンバ」は初期のスチャダラパーによってもサンプリングされています。この時期は彼にとって、創造的な表現を追求する貴重な時間でもありました。

1989年4月、人生の解散を記念するラストツアーを経て、若王子は電気グルーヴを結成することになります。初台駅近くのデニーズでの会合をもって、彼らは音楽界に新しい波を呼び込みました。しかし、デビューライヴの前に交通事故に遭い、ディプロマとしてのデビューは新宿LOFTでのライヴに持ち越されました。

電気グルーヴでの活動

電気グルーヴでは、彼は「電気ビリビリ」「WE ARE」「N.O.」などの初期の代表曲に関与しましたが、1990年5月にはプログラミング担当の高橋ブタオと共にバンドを離れました。彼の電気グルーヴ時代は短いため、その影響は主に初期の音源に限られていました。

その後の活動

電気グルーヴ脱退後、若王子はナゴムレコードと提携していたバンド、死ね死ね団のベーシストとして活動を開始します。その後も、BEYONDSのベーシスト・中村修一が結成したBadge714に参加し、さらに2003年には松田岳二のCUBISMO GRAFICO FIVEに330 mimio名義でギタリストとして在籍しました。しかし、2009年のライヴを最後に、彼のその後の活動についての情報は乏しい状態です。

また、ピエール瀧と組んで「悲しい」というユニットを形成していたこともあり、彼の音楽活動は多岐にわたる人々とのコラボレーションに満ちていました。若王子耳夫のユニークで多才な音楽的な旅は、今なお新しい世代に影響を与えています。

関連項目

若王子という名前は、アニメ『けいおん!』に登場するモブキャラクター「若王子いちご」にも名を残しており、彼の音楽的な影響力の一部を証明しています。

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