若穂

長野市若穂地区

長野市若穂地区は、市の最東端に位置し、若穂綿内、若穂川田、若穂保科、若穂牛島の4地区から構成されています。この地域は、かつての上高井郡若穂町とほぼ同じ範囲を指し、豊かな自然と歴史的な背景を持つ地域です。

地理と概要

若穂地区の北西には千曲川が流れ、その流れに沿って国道403号と上信越自動車道が走っています。地区の中央部には長野県道34号線が南北に走り、交通の便も良いです。広大な面積を持つ一方で、西から南にかけては山地が多く、集落は千曲川東岸や保科川沿いに点在しています。

古くから農業が盛んで、歴史的な史跡も多く残っています。江戸時代には、北国脇街道の要衝として栄え、川田宿を中心に賑わいました。また、かつては長野電鉄屋代線が地域住民の生活を支えていましたが、2012年に廃止されました。

地名の由来は、1959年に綿内村、川田村、保科村が合併した際、各村の頭文字を取って「若穂」としたものです。「稲の若穂のように伸びゆく町」という願いが込められています。

歴史

若穂地区は、古代から歴史が刻まれてきました。742年には、行基が彫った千手観音が保科に安置され、清水寺（保科観音）の始まりとなりました。江戸時代には、綿内村が須坂藩領、川田村、保科村、牛島村が松代藩領に属していました。

明治時代に入ると、小学校が開校し、1876年には川田村が発足しました。1889年には市町村制が施行され、綿内村、川田村、保科村がそれぞれ成立しました。その後、1959年にこれらの村が合併し、若穂町となりました。

若穂町は1966年に長野市に編入され、旧村域はそれぞれ若穂綿内、若穂川田、若穂保科、若穂牛島となりました。その後、落合橋の完成や長野市滑空場の開場など、地域の発展が進みました。しかし、2012年には長野電鉄屋代線が廃止され、地域交通に変化がありました。

各地区の特色

若穂牛島

若穂牛島は、千曲川と犀川が合流する地点に位置し、古くから水害に悩まされてきた地域です。そのため、江戸時代から明治時代にかけて堤防が整備され、「輪中の村」と呼ばれていました。地名は、かつて牛を放牧した島であったことに由来します。現在でも、豊かな自然が残っています。

若穂川田

若穂川田は、千曲川沿いに位置し、かつての川田宿があった場所です。旧北国街道松代道の宿場町として栄えました。地区東部は扇状地で、果樹農業が盛んです。地名は、千曲川の流路に由来すると言われています。

若穂保科

若穂保科は、長野市の最東端に位置し、山地が多い地域です。信濃三十三観音の札所である清水寺（保科観音）や保科温泉などがあります。地名は古代からあり、「ホシナ」の呼称が現代まで続いています。

若穂綿内

若穂綿内は、若穂地域の中心地で、行政機関や文化施設が集まっています。かつては若穂町役場があり、現在は長野市役所若穂支所が置かれています。地名は、中世の「亘里郷」に由来し、「渡し場の内」という意味を持っています。

交通

各地区内には、長電バスやアルピコ交通の路線バスが運行しており、地域住民の足となっています。かつては長野電鉄屋代線が走っていましたが、2012年に廃止されました。現在、その代替としてバス路線が運行されています。

施設

地区内には、各地区の小学校や中学校、公民館、病院、消防署などがあります。また、清水寺、保科温泉、長野市滑空場、北野美術館など、歴史的・文化的な施設も多く存在します。

まとめ

若穂地区は、豊かな自然と歴史が調和した魅力的な地域です。農業が盛んな一方で、交通の要所としての歴史も持ち合わせています。各地区ごとの特色が多様であり、地域全体として魅力にあふれています。今後も、その魅力をさらに発展させ、地域住民が安心して暮らせる地域づくりが期待されています。

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