苧谷秀信

苧谷秀信：厚生労働行政から民間企業へ

苧谷秀信氏は、日本の厚生労働官僚として長年にわたり、労働行政に携わってきました。東京大学法学部を卒業後、労働省に入省し、厚生労働省大臣官房審議官、大阪労働局長、中央労働委員会事務局長といった要職を歴任。現在は、東京海上日動火災保険顧問、ビックカメラ執行役員として活躍しています。

厚生労働省でのキャリア

苧谷氏は、1983年に東京大学法学部を卒業後、労働省に入省しました。初期には外務省にも出向し、在ドイツ日本国大使館で一等書記官、参事官を歴任。その後、労働省（後の厚生労働省）に戻り、中小企業労働対策室長、情報公開文書室長、高齢者雇用対策課長、労働基準局監督課長などを務めました。

2000年代後半からは、人事院でもキャリアを重ね、職員福祉局参事官、生涯設計課長を歴任。2008年には埼玉労働局長に就任し、地域における労働行政を担いました。

2013年以降は、国土交通省大臣官房審議官（国土政策局担当）を経て、厚生労働省大臣官房審議官（老健担当、医政局併任、保険局併任、老健・障害保健福祉担当）を務め、厚生労働行政の中枢で活躍しました。2016年には大阪労働局長に就任し、近畿地方における労働行政を統括しました。

中央労働委員会事務局長

2017年、苧谷氏は中央労働委員会事務局長に就任。中央労働委員会は、労働争議の調整や、不当労働行為の審査を行う機関であり、その事務を統括する重要な役割を担いました。2019年に退官するまで、労働者の権利擁護と労使関係の安定に尽力しました。

民間企業への転身

2020年、苧谷氏は東京海上日動火災保険顧問に就任し、民間企業での新たなキャリアをスタートさせました。さらに、2022年にはビックカメラ執行役員内部統制本部副本部長兼グループ内部統制統括部長に就任。内部統制の強化やリスク管理体制の構築に貢献しています。

著書

苧谷氏は、ドイツの労働事情に関する著書『ドイツの労働』（日本労働研究機構、2001年）を執筆しています。この著書は、ドイツの労働市場や労働政策に関する深い知識に基づいたものであり、研究者や実務家にとって貴重な情報源となっています。

まとめ

苧谷秀信氏は、厚生労働官僚として長年にわたり労働行政に携わり、中央労働委員会事務局長などの要職を歴任。現在は、民間企業でその経験と知識を活かし、活躍しています。彼のキャリアは、行政と民間企業の両方における豊富な経験を持つ人材の可能性を示唆するものと言えるでしょう。

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